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ACC 2014 in Washington, D.C.

2014.04.21 | 海外学会 | 学会・研究会 |

アメリカ心臓学会(ACC)年次学術集会が2014年3月29日~4月2日に首都ワシントンで開催され、金沢大学臓器機能制御学教室からも複数の発表がありました。

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ACC 2013 in San Francisco, California

ACC 2012 in Chicago, Illinois

ACC 2011 in New Orleans, Louisiana

ACC 2010 in Atlanta, Georgia

ACC 2009 in Orlando, Florida

ACC 2008 in Chicago, Illinois

 

 

末松哲郎先生(現金沢循環器病院循環器内科)のポスター発表は早速テクロスからの取材をうけ、速報として発信されました(https://www.tcross.co.jp//node/4930)。

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国立循環器病研究センター心臓血管内科で活躍中の舟田晃先生も得意の英語を操って見事な議論を展開しました。

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心筋症のセッションで見事な議論を展開する舟田先生

 

今回のアメリカ心臓学会学術集会は第65回の記念集会
でもあり、いくつかの特別企画が開催されました。会長のHarold教授の記念講演や、急性心筋梗塞の血行動態で有名なForrester教授、またJACCのEditorとしても我が国でお馴染みのDeMaria教授などの講演が続きました。

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今回のACC会長のハロルド教授の基調講演。

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JACCのEditorとして日本でもお馴染みのDeMaria教授はJACCの最近の状況について講演されました。

これらの講演の中で、大変感慨深い内容が発表されましendo2_2た。この65年間で循環器病の歴史に大きな影響をあたえた人物・発見・発明の中で、遠藤 章沢大学客員教授の名前と功績が述べられました。金沢大学の関係者としても感動ものでした。遠藤先生のスタチン発見の偉業をたたえるプレゼンテーションでした。

 

さて、今回は帰国時に大変なハプニングがありました。それは、山岸教授が乗機したシカゴ発成田行きのUA881便が1機はメカニックの問題、2機目はパイロット不足でキャンセルになったということです。

 

かつて札幌に不時着した汚名を持つ、UA881(Boeing747)。ua881_2

2機目のBoeing747にはパイロットが規定数にならず、結局この日のフライトはキャンセルと相成りました。
しかも翌日のサンフランシスコ発UA857便の空調の不調(天井から氷が降ってきたらしいです)で出発がおくれたため、結局シカゴー小松に3日要したというものです。尚、先のUA881便は以前に山岸教授が乗機された時はガソリン切れで千歳に不時着したという歴史のある便です。

しかし無事帰国されましたのでメデタシ、メデタシといったところでしょう。来年はサンディエゴでの開催が予定されています。

市民公開講座「心臓病から命を守る:狭心症・心筋梗塞との付き合い方」

2014.03.23 | 医局行事 |

金沢大学臓器機能制御学教室では情報の社会貢献をphoto重視する立場から、市民公開講座を開催しています。

今回は、「心臓病から命を守る:狭心症・心筋梗塞との付き合い方」をテーマに循環器診療に携わる医師と市民の皆さんで一緒に心臓病から命を守る方法について考えて行く会を企画致しました。

 

 

 

 

 


 

市民公開講座 心臓病から命を守る:狭心症・心筋梗塞との付き合い方

会場 金沢大学医学部第4講義室photo (1)

開催日 2014年3月16日(日曜日)午後2時30分ー4時30分

開会の挨拶 山岸正和 金沢大学循環器内科

第一部 講演会 こんなに怖い狭心症・心筋梗塞

座長 後藤由和先生 金沢大学救急部

1.狭心症・心筋梗塞はこんなに怖い 石川県立中央病院循環器内科 
安田敏彦先生(20分)

2.生活習慣病と狭心症・心筋梗塞 金沢大学循環器内科 坂田憲治先生(20分)

3.心臓病と救急車:命を守るキーポイント(仮題)
金沢大学救急部稲葉英夫先生(20分)

第二部 パネルディスカッション 狭心症・心筋梗塞との付き合い方

座長 金沢大学循環器内科 坂田憲治先生
   金沢医療センター循環器内科 小見 亘先生
        
パネリスト

石川県立中央病院    安田敏彦先生
金沢大学循環器内科   中橋卓也先生
金沢循環器病院     内山勝晴先生
松任中央病院循環器内科 八重樫貴紀先生
洞庭医院院長      洞庭賢一先生
金沢大学救急部     稲葉英夫先生

閉会の挨拶 金沢医科大学循環器内科 梶波康二先生

主催 石川県急性心筋梗塞専門医療機関連絡会
   (代表 金沢大学臓器機能制御学・循環器内科 山岸正和)
後援 石川県健康福祉部
日本循環器学会北陸支部
   金沢市医師会


当日は突然の「嵐のような天候」でしたが、100名余りの市民の皆様の参加を得て、盛会となりました。前回は「心筋症」に関します市民公開講座を開催しましたが、今回のテーマは「心臓病から命を守る:狭心症・心筋梗塞との付き合い方」と冠動脈疾患に関する講座です。

第一部では、3名の先生に講演していただきました。

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生活習慣病と狭心症・心筋梗塞について講演します坂田憲治先生

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心臓疾患と救急治療に関しては、稲葉英夫教授に講演をお願いいたしました。

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100名余りの聴衆が熱心に聴講され、質問も数多く頂きました。

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第二部のパネルディスカッションでは、石川県での主要施設から若手の先生方に出席頂き、それぞれの病院での狭心症・心筋梗塞への取り組みについて討論していただきました。

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石川県庁からは後援頂きました健康福祉部の木村次長からの総括を頂戴し、今後の取り組みついての御意見を頂きました。また、報道機関からも本市民公開講座の内容が紹介され、このような開かれた社会貢献への関心の高さが伺われます。私たちのグループでは皆様の期待の沿うべく今後とも活動を続けてまいります。

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翌朝2014年3月17日北国新聞朝刊に本市民公開講座の記事が掲載されています。

日本循環器学会主催の市民公開講座

2014.03.11 | 臨床 |

日本循環器学会、日本心臓財団、朝日新聞社主催の市民公開講座で、当科山岸正和教授が講演いたします。

金沢大学臓器機能制御学教室では、教育、研究、診療活動で蓄えた力を広く社会還元することも使命として、市民公開講座での活動を繰り広げています。今回は、当科山岸正和教授が、来る3月12日(日)、日本循環器学会学術pdf-xchange-editor(4144)_250x250集会の会期中開催されます市民公開講座「心臓病とともに生きる」で講演致します。「狭心症・心筋梗塞と上手に付き合うには」のタイトルで講演致しますが、その後TVキャスターの草野仁氏を交えてのパネルディスカッションも予定されています。多数の皆様のご来場をお待ちいたしております。

 

肥大型心筋症に関する多施設共同研究

2013.12.10 | Publications | 臨床 |

金沢大学臓器機能制御学教室を中心とした多施設共同研究で、我が国おける肥大型心筋症と遺伝子異常の関連が明らかとなりました。

本研究の成果をまとめた研究論文がアメリカ合衆国心臓学会誌心不全版(J Am Coll Cardiol HF)に掲載されました。予てより肥大型心筋症、心不全研究に携わって参りました、金沢大学臓器機能制御学・循環器内科、鹿児島大学、高知大学、北海道大学、山口大学、国立循環器病研究センター、大阪大学、東京大学などで集積されました肥大型心筋症、高血圧性心疾患症例などの予後についての観察研究の結果、同じ肥大心臓であっても(サルコメア)遺伝子変異を伴う場合には、不整脈や心不全などのイベントが多く観察されることが明らかにされました。

Sarcomere gene mutations are associated with increased cardiovascular events in left ventricular hypertrophy: results from multicenter registration in Japan.
Fujita T, Fujino N, Anan R, Tei C, Kubo T, Doi Y, Kinugawa S, Tsutsui H, Kobayashi S, Yano M, Asakura M, Kitakaze M, Komuro I, Konno T, Hayashi K, Kawashiri MA, Ino H, Yamagishi M.
JACC Heart Fail. 2013 Dec;1(6):459-66.

本研究がインパクトの高い科学雑誌に掲載されたことを受け、12月3日、4日の毎日新聞、北陸中日新聞、北国新聞に大きく報道され、また4日朝にはFMラジオでも放送されました。

 

12月4日付の北國新聞では藤田崇志助教が会見している様子が報道されています。
12月4日付の北陸中日新聞では、心臓肥大の解説とともに今回の論文要旨が端的に報道されています。
12月4日付の毎日新聞ではデータ取りまとめの苦労などを藤野 陽准教授が解説している様子など、今後の展望も含めて報道されています。

 

循環器内科を標榜しています当教室においても大変誇らしい業績であり、今後につながる重要な研究発表と自負しているところです。

また、本論文が巻頭記事であり、しかもEditorial commentも付記されていることからもそのインパクトが想像されます。

Towards understanding the impact of sarcomeric gene mutations.
Wolf MJ.
JACC Heart Fail. 2013 Dec;1(6):467-8.

追跡期間が1年と短く、ベースラインの年齢、血圧、B型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、左室後壁厚、最大左室壁厚、左室拡張末期径、左室流出路圧較差、僧帽弁逆流に差があり解釈には注意を要する」としつつも、「遺伝子変異の心血管イベントへの影響を継続して解明する必要性を明らかにした」と評価されています。

 

 

 

AHA 2013 in Dallas, Texas

2013.11.27 | 海外学会 | 学会・研究会 |

アメリカ合衆国心臓協会(AHA)年次学術集会が去る2013年11月16日―20日、テキサス州ダラス市で開催され、金沢大学循環器内科グループからも多くの演題が発表されました。

テキサス州ダラスのシンボル、1934年に建築されたペガサスが目印のMagnolia Hotel
テキサス州ダラスのシンボル、1934年に建築されたペガサスが目印のMagnolia Hotel

 

過去のAHAの記事はこちらへ。

AHA 2012 in Los Angeles, California

AHA 2011 in Orlando, Florida

AHA 2010 in Chicago, Illinois

AHA 2009 in Orlando, Florida

AHA 2008 in New Orleans, Louisiana

AHA 2007 in Orlando, Florida

 

ダラス市での開催は久しぶりで、筆者らもその変貌ぶりに期待して参加しました。折からのケネディ大統領暗殺50周年とのことで町全体が幾分賑やかな感じではありましたが、応年の賑やかさにはほど遠い感じでした。

ダラスコンベンションセンターから市街を望む
ダラスコンベンションセンターから市街を望む

AHA学術集会への参加者は減少しつづけていたようですが、今回は増加傾向に転じたようです。金沢大学グループからの発表のうち、目を引いた研究を紹介します。大学院1年目の森 雅之先生、国産の冠動脈ステント「Nobori」の早期内膜化をブタモデルで検証し、留置後2日で早くもステントが薄い組織で被覆される様子を観察しています。注目すべきは、この発表がon-lineで速報されたことです

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冠動脈ステントの早期内膜新生の話題を提供した森 雅之先生。この直後、Tcrossからのインタービューを受けた。

国立循環器病研究センター心臓血管内科心不全科で活躍中の舟田 晃先生は、ライフワークの肥大型心筋症における、レ二ン-アルドステロン系遺伝子の多型と心房細動発症の関連に関する研究を口述発表しています。

 発表後座長と討論する国立循環器病研究センター心臓血管内科、舟田 晃先生。

発表後座長と討論する国立循環器病研究センター心臓血管内科、舟田 晃先生。

 

海外での学会参加の楽しみに、会食や留学中の医局員との再開などがあります。今回は、ハーバード大学に留学中の多田隼人先生との再開に花が咲きました。多田隼人先生は、疾患原因遺伝子をGWASで行っています。

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ハーバード大学留学中の多田先生(右)と談笑する野村章弘先生。TOEFL88%、日本国内で結構いい留学グラントをゲットしたらしい。
 28オンス(約700グラム)のステーキ(左)、デザートのチョコレートケーキ(中)そして巨大スフレを完食した森 雅之先生。
28オンス(約700グラム)のステーキ(左)、デザートのチョコレートケーキ(中)そして巨大スフレを完食した森 雅之先生。

 

ダラスコンベンションセンター近くにあります由緒ある欧州調ホテル「Adolphus」は宿泊者が将来教授職につく伝説を有しています。ダラス訪問の際は、ケネディ大統領暗殺現場、Westendの土産物屋街、ステーキハウス(大抵どこでも美味)のみならず、Adolphusの探訪、宿泊をお勧めします。ちなみに当教室の山岸教授は前回がFairmont Hotel, 今回はSheraton Hotelでした。念のため。2014年のAHA学術集会はシカゴでの開催だそうです。