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AHA 2010 in Chicago, Illinois

2010.12.13 | 海外学会 | 学会・研究会 |

今年もアメリカ心臓協会年次学術集会(AHA,2010年11月14日~17日、シカゴ)が開催されました。

過去のAHA記事はこちら

AHA 2009 in Orlando, Florida

AHA 2008 in New Orleans, Louisiana

AHA 2007 in Orlando, Florida

今回はなんと金沢大学臓器機能制御学・循環器内科から全題「口述」での演題発表が行われました。AHAは例年大変な難関でありますが、私たちのグループから毎年数題の演題を発表して参りました。今年も、複数の演題が採用されましたが、特筆すべきは、金沢大学オリジナル演題がすべて「口述」発表として採択されたことです。ポスター発表としての採択が多い中、これは異例の出来事です。中でも、卒後5年目の蒲生先生はPhysician-Scientistとして相応しい内容を、国際学会で初めて「口述」発表となりました。金沢大学臓器機能制御学・循環器内科教室では、常に一流を目指しての、臨床、教育、研究を続けております。続く若い研究者の先生方に大いに期待するところです。


Oral presentation

Tadatsugu Gamou, Kanazawa Univ Graduate Sch of Med, Kanazawa, Japan; Takao Matsubara, Toshihiko Yasuda, Kenji Miwa, Masaru Inoue, Ishikawa Prefectural Central Hosp, Kanazawa, Japan; Hayato Tada, Masaaki Kawashiri, Kanazawa Univ Graduate Sch of Med, Kanazawa, Japan; Hounin Kanaya, Ishikawa Prefectural Central Hosp, Kanazawa, Japan; Masakazu Yamagishi, Kanazawa Univ Graduate Sch of Med, Kanazawa, Japan
Impact Of Thin-cap Fibroatheroma As Strong Predictor For No-reflow Phenomenon After Stent Implantation In Acute As Well As Stable Coronary Syndrome: Results From Study With Optical Coherence Tomography Abstract Oral Session AOS.606.01c. Potential Clinical Role of OCT
Wed, Nov 17, 2:00 – 5:15 PM
2010年4月から金沢大学臓器機能制御学・循環器内科で本格的にPhysician-Scientistの志を実践し始めました、蒲生忠継先生の「口述」発表です。蒲生先生が循環器専門医研修を始めた、石川県立中央病院循環器内科での「OCT」を用いた、冠動脈粥腫の観察と、インターベンションの成績をまとめた発表でした。AHA初デビューを「口述」発表する機会を得ました。

Atsushi Nohara, Akihiro Inazu, Tohru Noguchi, Hayato Tada, Mika Mori, Chiaki Nakanishi, Masa-aki Kawashiri, Kunimasa Yagi, Junji Kobayashi, Masakazu Yamagishi, Hiroshi Mabuchi, Kanazawa Univ, Kanazawa, Japan
Impact of Triglyceride-Rich High-Density Lipoprotein Composition on Development of Angiographic Coronary Artery Disease Abstract Oral Session AOS.202.01. Lipoprotein Effects in Arterial and Other Tissue
Tue, Nov 16, 9:00 AM – 12:00 PM
御存じ、脂質研究グループの中核、野原 淳先生の発表です。この演題も「口述」での採用となりました。血管内画像診断が全盛の折、冠動脈造影所見との対比での研究です。LDLに続く、HDLの話題として注目されます。

Atsushi Nohara, Tohru Noguchi, Hayato Tada, Mika Mori, Chiaki Nakanishi, Masa-aki Kawashiri, Kunimasa Yagi, Akihiro Inazu, Junji Kobayashi, Masakazu Yamagishi, Hiroshi Mabuchi,
Eicosapentaenoic Acid Add-on to Atorvastatin Normalizes Pre-ß1-HDL Levels Kanazawa Univ, Kanazawa, Japan Abstract Oral Session AOS.202.02. Clinical Lipoprotein Metabolism: Drug Effects
Wed, Nov 17, 9:00 AM – 12:00 PM
これまた脂質研究グループの中核、野原 淳先生の発表です。この演題も「口述」での採用となりました。EPAの追加投与が動脈硬化発症・進展に効果的とのデータがありますが、これを分子レベル、とくにHDL代謝からの観点で研究したことが認められたようです。

Hisaki Makimoto, Japanese LQTS Multicenter Registry by the Minister of Health, Labour and Welfare, Natl Cerebral and Cardiovascular Ctr, Suita, Japan; Minoru Horie, Satoshi Ogawa, Yoshifusa Aizawa, Tohru Ohe, Kengo F Kusano, Masakazu Yamagishi, Naomasa Makita, Toshihiro Tanaka, Takeru Makiyama, Masao Yoshinaga, Nobuhisa Hagiwara, Naokata Sumitomo, Japanese LQTS Multicenter Registry by the Minister of Health, Labour and Welfare, Suita, Japan; Yuko Yamada, Hideo Okamura, Takashi Noda, Kazuhiro Satomi, Takeshi Aiba, Naohiko Aihara, Shiro Kamakura, Yoshihiro Miyamoto, Wataru Shimizu, Natl Cerebral and Cardiovascular Ctr, Suita, Japan
Clinical Features of Congenital Long QT Syndrome in Pre-elementary-age Children Abstract Digital Dialogue
ADD.400.03. Inherited Arrhythmias: Testing/Risk Assessment
Mon, Nov 15, 2:00 – 5:00 PM
国立循環器病研究センターを中心とする、QT延長症候群の全国レベルの共同研究の成果発表です。金沢大学グループも林研至先生を中心として症例集積を行い、この研究の一翼を担っています。


まず、脂質グループのベテラン野原淳先生がトップを務photoめ、コレステロール低下療法にEPAを追加した場合の脂質プロファイルの変化について2題発表しました。フランスへの留学経験のある野原先生はさすがに言葉をうまくコントロールして、分かり易く表現し、質問にも的確に返答していました。実際、欧米においては、心臓血管死が以前にも増して社会問題化しつつあり、日本人の発症の低さが殊のほか他の注目を集め、大変興味を持たれていたようです。

 

 

続いての発表は、私達の教室からスタンフォード大学にphoto_2留学中の坂田憲治先生が務め、現在使用可能な4種類の薬剤溶出性ステントと糖尿病症例での再狭窄について発表しました。この4種類のステントでは糖尿病症例での再狭窄には有意な差異は認められないという内容で、膨大な症例解析に対して大きな反響を呼んでいました。また、坂田先生はポスター発表も一題受理されており、スタンフォード大学のデータアウトプットにおいて大車輪の活躍をされています

photo_3

 

 

 

 

 

 

 

最後を締めくくったのが循環器専門研修3年目(卒後5年目)の蒲生忠継先生でした。 
、、、、とその前に。最終日の午前中、学会会場で元アメリカ合衆国陸軍参謀長で、今なお人気の高いPowell氏の講演があると聞き、著者も会場に入ろうとしたところ、なにやら他の環境保護協会の学会関連だったらしphoto_4 く、入り口で止めらてしまいました。しかし、以前からPowell氏の考えや発言に大変興味がありましたので、入口付近で講演を聴くことが出来ました。かつてアメリカ心臓学会(ACC)には、あのBush氏も記念講演に来たことがありました。このような機会に遭遇するのもAHA,ACC参加の楽しみのひとつでしょう。

 

 

 

さて、当方の若手(卒後5年目)蒲生先生の発表は午後photo_5からでしたが、予想外に聴講者が多く驚きました。発表内容は、狭心症や心筋梗塞発症に関わり、血管形成術を行う際、血流障害をphoto_6惹起するような動脈硬化粥腫の特徴を、光干渉画像(OCT)法で観察し、このような粥腫が薄い線維性皮膜と大きな脂質コアからなることを可視的に証明したものでした。実際、臨床の場での血管形成術施行においての一つの指標となることを示した発表で、関係した質問を数多く受けていました。循環器専門医研修期間中にAHAなど口述発表することは、大変名誉なことでもあり、続く若手の先生方へも大きなインパクトとなったものと推察されます。

AHAとACCは、日本におけます日本循環器学会(JCS),日本心臓病学会(JCC)と同様、私達が最も重要視する学会でもあります。アジアからの演題では日本がトップを維持してきましたが、ここでも中国の台頭は目覚ましく、アメリカ合衆国への留学生数の話題とともに、これから私達がどう進むべきかを考えさせられる機会でもありました。明年はフロリダ州オーランドで開催されることが決まっています。引き続き、全演題口述発表を目指して、関連病院の先生方を含めての臨床研究、基礎研究を進めたいと願う次第です。

 

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