臨床を極める! 循環器内科

臨床を極める!

総合力ある内科専門医を目指す

金沢大学循環器病態内科学教室は一貫して「総合力ある内科専門医」の育成を目指しています。循環器内科、内分泌代謝内科、リウマチ膠原病内科、腎臓内科、消化器内科、救急部、検査部、集中治療部に医師をバランスよく配置し、各科が有機的に連携しあいながら先進医療を展開しています。大学病院として医学生、研修医、若手医師の教育や、専門性の獲得には特に力を注ぎ、私たちの目標である「総合力ある内科専門医」を目指す体制を整えています。共に明日の医療を創り上げていく若い皆さんの参加をお待ちしています。

金沢大学附属病院 循環器内科科長
山岸正和

循環器内科

主な診療内容

  • 虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)
  • 末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)
  • 心構造疾患
  • 不整脈、デバイス治療
  • 心不全
  • 脂質異常症
  • 心筋症

循環器内科では北陸3県はもとより他地域からも診断や治療の困難な心血管疾患、遺伝性疾患を多数ご紹介頂いています。患者さん一人ひとりと徹底的に向き合い、診断と治療に繋げることができるよう向上心を持って日々の診療を行っています。希少疾患のみではなく、高血圧、心房細動、脂質異常症といった加齢・環境因子と遺伝的背景が複雑に絡み合うcommon diseaseの管理から、高度な治療と管理を必要とする冠動脈疾患、心構造疾患、不整脈、心不全などの疾患・症候群をカバーしています。経験豊かな上級医と熱意のある若手医師が日々ディスカッションを行いながら、北陸の循環器診療の砦として診療に当たっています。
また、臨床上の様々な課題に対して積極的に臨床試験を行うことで、実臨床にエビデンスとして確立していない多くの臨床的命題に取り組んでいます。臨床研究から得られた知見を医療者、患者さんに還元することを目標としています。

当科で活躍する若手・中堅医師

循環器内科では多くの若手・中堅医師がエキスパートの指導の下に、それぞれ研究課題に取り組みながら臨床の主力として活躍しています。

助教

11年目
スタッフ
(助教)

心血管疾患臨床研究グループ・サブリーダー

金沢大学卒

専門分野:虚血性心疾患,動脈硬化性疾患
富山市民病院で研修後、小倉記念病院、光晴会病院を経て現職。

趣味:ドライブ

特技:スペイン語

助教

10年目
スタッフ
(助教)

大学院生

金沢大学卒

専門分野:虚血性心疾患
福井県立病院で研修、石川県立中央病院などを経て現職。

趣味:弓道

特技:どこでも寝られます。もちろんカンファでは寝ません。

医員

7年目
医員

山口大学卒

専門分野:心臓超音波
石川県立中央病院および金沢大学病院で初期研修後、小松市民病院や済生会金沢病院などを経て現職。

趣味:子どもの写真撮影

特技:ヨガ

循環器グループ 医師紹介

教授・診療科長 山岸 正和
准教授・病棟医長 川尻 剛照
講師・医局長 坂田 憲治
助教 中西 千明
津田 豊暢
永田 庸二
吉田 昌平
中橋 卓也
医員 岡田 寛史
田中 仁啓
吉田 太治
油尾 亨
寺田 和始
大平 美穂
前川 直人
森 雅之
田村 祐大
教授(保健学系) 稲津 明広
准教授(保健学系) 藤野 陽
講師(救急部)
救急部副部長
舟田 晃
助教(医学教育研究センター) 野原 淳
助教(検査部) 林 研至
助教(保健管理センター 吉牟田 剛
助教(先進予防医学研究科 今野 哲雄
助教(救急部) 多田 隼人
特任助教(検査部) 森 三佳
特任助教(救急部) 寺本 了太
下島 正也

※記載内容は2016年度のものです。

虚血性心疾患、末梢動脈疾患
虚血性心疾患、末梢動脈疾患

狭心症・急性冠症候群など、冠動脈の狭窄による虚血性心疾患に対しては、積極的な薬物療法に加えて、カテーテル検査および冠動脈インターベンション(PCI)を行っております。急性冠症候群による院外心肺停止例に対しては、救急隊、救急部・集中治療部と連携をとり、緊急PCIに加え、低体温療法を含めた高度救命処置を行っています。また、安定型狭心症症例に対しては、薬物療法で症状が改善せず、虚血所見を有する場合にPCIを行います。最近のPCIを行う安定型狭心症症例では、個々の症例の冠動脈形態や背景因子が複雑化してきています。そのような日々我々が対峙する症例では、高齢、バイパス術後、腎機能障害、末梢血管疾患の合併など、複雑な病変形態のみならず、種々の全身合併症を伴っていることが多いですが、日々のカンファレンスにてPCIの適応から治療戦略、合併症の管理、二次予防まで徹底的に討議し、個々の症例にとっての最適な治療方針を選択するよう努めています。また、手技においては、血管内超音波(IVUS)や光干渉断層法(OCT)といったイメージングモダリティーによる病変形態評価や、プレッシャーワイヤーを用いた生理学的評価をガイドとした最新のデバイスとエビデンスに基づいたPCIを心掛け、個々の病変に応じた最適な治療を実践しています。

スタンダードな治療が行われるようになり、成熟期に入ったカテーテル治療が向かうべき方向性はさらなる治療成績向上のための効果的なリスク層別化、加えてさらなる病態理解のための冠動脈狭窄と生理あるいは病理組織診断との融合が重要なテーマになると思われます。日常臨床の1例1例と丁寧に向かい合い、実臨床から新たなエビデンスを構築し、再び患者さんに還元できるような臨床研究を意識した診療を心掛けています。

Our Activities ~多施設共同研究~
Heart Vessels

循環器内科では全国の主要施設や関連病院と協力し様々な多施設共同研究を行っています。その1つ、MILLION研究では北陸、関東の医療機関から冠動脈疾患患者の登録を行い、積極的脂質低下療法に積極的降圧療法追加した際の冠動脈のプラーク体積変化を血管内超音波(IVUS)を用いて標準的治療法と比較した多施設前向き無作為化試験です(Kawashiri MA, et al. Heart Vessels. 2015 Sep;30(5):580-6 doi)。

その速報は2015年にサンディエゴで開催された米国心血管インターベンション学会学術集会(Society for Cardiovascular Angiography and Interventions (SCAI) Scientific Sessions)でのLate Breaking Sessionで公開され注目を集めました。

Our Activities ~経皮的肺動脈バルーン拡張術~

慢性血栓塞栓性肺高血圧症(chronic thromboembolic pulmonary hypertension, CTEPH)は器質化した血栓により肺動脈の内腔に狭窄や閉塞が生じた結果、肺高血圧症を呈する疾患です。肺動脈血栓内膜摘除術(pulmonary endarterectomy, PEA)により根治可能な場合もありますが、手術不能例などは予後が悪い疾患として知られていました。近年、バルーン肺動脈形成術(balloon pulmonary angioplasty, BPA)と呼ばれるカテーテル治療の有効性が報告されており、手術を行うことが難しかった高齢者や他疾患を合併した症例などにも根治が見込めるようになりました。当院でも2014年より治療を開始しており、北陸では最も早く本治療に取り組んだ施設の一つです。

本疾患は、急激な胸痛や呼吸困難などの自覚症状を伴わないことが多く、原因不明の肺高血圧症症例の中に隠れていることがあります。診断により劇的に予後が変わる可能性があるため、慎重かつ正確な診断を心がけています。当科では肺動脈性肺高血圧症の十分な治療経験を有し、CTEPHを正しく鑑別診断でき、BPA適応の判断ができる循環器内科医が常駐しておりますので、診断に悩ましい症例などいらっしゃれば、いつでもご紹介下さい。

経皮的肺動脈バルーン拡張術経皮的肺動脈バルーン拡張術
Our Activities ~循環器救急の最後の砦!~
循環器救急の最後の砦!

循環器内科において急性期救急対応は重要な役割の一つです。三次救急病院である当院は地域医療の最後の砦として、市中病院、救急隊と密接に連携し、循環器内科医師、心臓血管外科医師、救急部医師による365日24時間体制の急性心筋梗塞、急性心不全、大動脈解離、肺血栓塞栓症等の心血管救急疾患対応を行っています。

また市民の皆様に対して、心血管救急疾患の説明や動脈硬化の予防、救急隊の活動について定期的に市民公開講座を開催し、循環器内科専門医、心臓外科専門医、救急専門医、救急救命士による啓蒙活動を行っています。

循環器救急の最後の砦! 循環器救急の最後の砦!

さらに研究面では院外心肺停止に関しての新たなエビデンスの構築を目指しています。2016年Circulation Journalに発表した論文で、総務省消防庁の2008~2012年の全国前向きウツタイン登録の解析から、75歳以上の院外心肺停止患者の転帰が経年的に改善したこと、また心停止が心原性で目撃あり、最初に記録されたリズムが除細動の適応の3条件を満たす患者群では、神経学的予後良好を伴った生存率が8~26%と良好で、心肺蘇生の有用性が高いことを報告しました。

Funada A, Goto Y, Maeda T, Teramoto R, Hayashi K, Yamagishi M. Improved survival with favorable neurological outcome in elderly individuals with out-of-hospital cardiac arrest in Japan: a nationwide observational cohort study. Circ J 2016;80:1153-62. icon_doi

心構造疾患
心構造疾患

心構造疾患(structural heart disease;SHD)には、弁膜症や先天性心疾患、心筋症などが含まれます。これらの疾患は、虚血性心疾患と並び、現在の循環器診療において大きな割合を占めています。特に弁膜症では大動脈弁狭窄症や僧帽弁閉鎖不全症、先天性心疾患では術後の長期管理例や成人期に診断される心房中隔欠損症などがその中心です。
また、心筋症には様々な原疾患があり(肥大型心筋症、拡張型心筋症、二次性心筋症(サルコイドーシスやアミロイドーシス等)など)、診断、不整脈などの有害事象の予防管理、および心不全管理が診療の中心となります。いずれの疾患においても、適切な時期に外科的介入も含めた最適な治療を行うことが予後を大きく左右するため、病態や治療効果の評価において、心エコーを中心とした非侵襲・低侵襲的画像検査が重要です。特に近年、3D心エコーやMRI、CT、核医学検査などの非侵襲・低侵襲的画像検査の質が大きく向上しており、カテーテル治療や自己弁温存手術、低侵襲手術といった治療手技の進歩と併せて、画像診断を適宜活用することが必要とされています。

当科では、特に弁膜症の術前評価から術後の経過観察に至るまで、3D心エコーや負荷心エコーを含めて詳細な評価を行っております。また、心筋症に関しては、エコーでの心機能評価に加え、MRIでの心筋線維化の評価も行っています。また、毎週、循環器スタッフと若手医師、検査技師が集まり勉強会を開くなど常に知識と技術のアップデートを行っています。

Our Activities ~Team for TAVI!~
ハイブリッド手術室
ハイブリッド手術室

当院では、地域の中核病院として、手術加療を要するような先天性心疾患、重症冠動脈病変や重症弁膜症の患者の診療に24時間体制であたっています。循環器内科、心臓血管外科、多職種にて、北陸ハートセンターチームを結成し、手術加療を要するような症例に関しては全例においてハートセンターカンファレンスにて症例検討を行い、各分野での最先端の知識や技術について共有しながら、術前評価から手術および術後管理まで最適な医療を行えるよう努めております。

当院では、血管内治療と手術を同時に行うことができる「ハイブリッド手術室」をすでに導入しております。心臓弁膜症の代表的な疾患である大動脈弁狭窄症に対して従来の外科的治療(弁置換術)が困難な患者も多く、より低侵襲な経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)が近年注目を集めており、当院でもハイブリッド手術室を活用しTAVIの施設認定を目指しています。

Our Activities ~Real time 3D TEE for cardiac surgery!~
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当院では重症の弁膜症に対する心臓手術が多数行われていますが、手術の適応や手技について最大の情報をもたらすのが心エコー検査です。当院の検査部では常にハイエンドエコー機器を用いて弁膜症の術前評価を詳細に行い、術前カンファランスで心臓血管外科医とベストな術式、周術期管理についてディスカッションを行っています。

私たちは術前に3D心エコーを用いて病変を詳細に評価することで、術後の合併症が減少し手術成績が向上することを多数の3D心エコー例の検討から明らかにしました。

Mori M, Yoshimuta T, Ohira M, Yagi M, Sakata K, Konno T, Kawashiri MA, Tomita S, Watanabe G, Iino K, Takemura H, Yamagishi M, Hayashi K. Impact of real-time three-dimensional transesophageal echocardiography on procedural success for mitral valve repair. J Echocardiogr. 2015 Sep;13(3):100-6. icon_doi

Our Activities ~プロフェッショナル心血管エコー~
~プロフェッショナル心血管エコー~

私たちは心血管エコー検査によって心血管疾患の診断や病態の理解を深めることが循環器疾患の日常診療に不可欠であると考えています。心血管エコーの技術や知識の向上を目的としたプログラム「Echo Kanazawa」を山岸正和教授が赴任された2006年から毎年開催を続け、これまでに3000人以上が参加し、心エコーの初学者から知識・技術をブラッシュアップしたいsonographerにとって幅広くかつ深く学ぶ場を提供しました。

第25回日本心エコー図学会学術集会

これらの地道な活動が結実し、2014年4月には山岸正和教授を会長として第25回日本心エコー図学会学術集会が金沢で開催されました。石川県立音楽堂で開催された本学会は「未来型心血管エコーへの挑戦」をテーマとし、心血管エコーに携わる多くの医師、技師が全国から集まり、熱い討議が行われました。

私たちは心血管エコーを通して、循環器診療に携わる人材の育成と診療技術の発展に貢献しています。

不整脈・デバイス治療
不整脈・デバイス治療

不整脈は脈が速い、脈が遅い、脈が乱れるなどの様々な様相を呈します。病的意義の低いものから命にかかわるものまで大変幅広い疾患であり、適切な診断および治療指針の決定が大切です。治療が必要な不整脈には薬物治療および非薬物治療の選択肢がありますが、非薬物治療としては高周波カテーテルアブレーション治療および心臓植込み型デバイス(ペースメーカー、植え込み型除細動器、両室ペースメーカー)があり、いずれも必要症例に対して積極的に導入しております。カテーテルアブレーションは最新の3次元マッピングシステム(CARTO SOUNDやEnSite system)を使用し、通常の上室性不整脈に加えて器質心疾患を伴った難治性不整脈に対しても安全で有効性の高いアブレーションを施行しております。また徐脈性不整脈に対するペースメーカー移植術、致死性不整脈に対する植え込み型除細動器移植術、難治性心不全に対する両室ペースメーカー移植術なども行っております。

不整脈は治療法が日々進歩しており、最新の知見を患者様に還元するように心がけております。治療や疾患に関しては臨床研究を積極的に進めており、当科から情報を発信し治療法や診断法に関して貢献することを目指しています。

Our Activities ~Hokuriku-plus AF Registry~
Hokuriku-plus AF Registry

心房細動は近年増加傾向にあり、今後ますます重要視される疾患です。当科においては、北陸地方を中心に心房細動患者の治療形態および予後などを検索する目的にて関連病院にもご協力いただき大規模な心房細動患者登録研究を行っております。これにより、心房細動患者の治療実態や脳塞栓発生の予測因子、薬剤副作用に伴う出血事象の頻度や予測因子に関して長期的な検討を行っています。研究成果は国内最大級の学術集会である日本循環器学会学術集会のFeatured Research Sessionにおいて発表されました。心房細動の治療指針に大きく貢献する地域密着型の観察研究として注目を集めています。

Tsuda T, Hayashi K, Yamagishi M, et al. Prediction of Thromboembolic and Major Bleeding Events in Atrial Fibrillation: One Year Outcomes of the Hokuriku-plus AF Registry. Featured Research Session, the 80th Annual Scientific Meeting of the Japanese Circulation Society, Sendai, 2016.

Our Activities ~心臓突然死を防げ!~
心臓突然死を防げ!

遺伝性不整脈とは主に心筋イオンチャネルの遺伝子変異が関与し、心室細動・心室頻拍を含む不整脈発作を来す疾患群です。遺伝性不整脈の中には中高年男性の夜間突然死の原因のひとつと考えられるブルガタ症候群や若年者における突然死のひとつと考えられる先天性QT延長症候群などが含まれます。遺伝性不整脈の診断は、患者様ご本人およびご家族の臨床所見、遺伝子検査により行います。先天性QT延長症候群は遺伝子変異の違いにより疾患の予後や治療方針が異なるため、遺伝子検査が極めて重要です。我々は、臨床所見と遺伝子検査結果をあわせて患者様のリスク層別化を行い、それぞれに応じた適切な生活指導・治療を行っています。

当研究室では、遺伝子検査でみつかった遺伝子変異の病的意義を明らかにするためパッチクランプ法を用いた機能解析を行っています。最近ではパッチクランプ法に加え、ゼブラフィッシュを用いた機能評価を行っており(1)、一定の成果を上げております。また、先天性QT延長症候群におけるβブロッカーの使用状況調査(2)や新規診断基準の評価(3)、家族性心房細動における遺伝子変異の機能評価(4)などを世界に向けて発信しております。

遺伝子検査の手続き等に関するご相談は、当教室分子心臓病研究室までご連絡ください(遺伝子検査の手続き等に関するご相談は、当教室分子心臓病研究室までご連絡ください)。

参考文献

  1. Tanaka Y, Hayashi K, Tsuda T, Yamagishi M. In-vivo recording of larval ECG in zebrafish for the functional characterization of long QT syndrome type 2 mutation. J Arrhythmia 2015 (Abstract).
  2. Tanaka Y, Hayashi K, Tsuda T, Saito T, Itoh H, Kawashiri MA, Ota K, Horie M, Yam agishi M. Current Situation of β blocker Therapy in Patients with Inherited Long QT syndrome. Circ J 2016 (Abstract).
  3. Hayashi K, Konno T, Fujino N, Itoh H, Fuii Y, Hayashida Y, Tada H, Tsuda T, Tanaka Y, Saito T, Ino H, Kawashiri MA, Ohta K, Horie M, Yamagishi M. Impact of Updated Diagnostic Criteria for Long QT Syndrome on Clinical Detection of Diseased Patients. J Am Coll Cardiol EP 2016; In press.
  4. Hayashi K, Konno T, Tada H, Tani S, Liu L, Fujino N, Nohara A, Hodatsu A, Tsuda T, Tanaka Y, Kawashiri MA, Ino H, Makita N, Yamagishi M. Functional Characterization of Rare Variants Implicated in Susceptibility to Lone Atrial Fibrillation. Circ Arrhythm Electrophysiol. 2015 Oct;8(5):1095-104. doi
心筋症診療、心不全治療

当科では肥大型心筋症をはじめとして拡張型心筋症、虚血性心筋症、さらに心サルコイドーシスや心ファブリー病など、多彩な心筋疾患の診療を行っています。具体的には、個々の症例に対して心臓MRIや心筋生検を含めた徹底的な検査を行い、心機能障害の原因究明とそれに応じた適切な治療を目指しています。適応例に対しては心臓再同期療法(Cardiac Resynchronization Therapy: CRT)の植込みを行っており、また心原性ショックに陥るような重症例に対しては、大動脈バルーンパンピング(Intra Aortic Balloon Pumping: IABP)および経皮的心肺補助装置 (Percutaneous Cardio-Pulmonary Support: PCPS)の導入、管理も行っています。

さらに、日常診療で構築した臨床データベースをもとに、心筋疾患の病因を遺伝子やタンパクレベルで明らかにすべく先進的研究にも取り組んでいます。「ベッドサイドからベンチへ」を伝統的に実践する当科の研究は、質・量ともに日本をリードしています(詳細はこれまでの業績を参照)。

Our Activities ~遺伝性心筋症を極める!~
遺伝性心筋症を極める!遺伝性心筋症を極める!遺伝性心筋症を極める!

遺伝性心筋症は肥大型心筋症(HCM)、拡張型心筋症(DCM)に代表され、その病態や予後を規定する突然死や心不全の原因解明について多くの基礎研究・臨床研究が積み重ねられてきました(1)。1990年代に入りHCMの原因が心筋βミオシン重鎖をはじめとした心筋サルコメア蛋白をコードする遺伝子変異であると解明されました。

近年では、次世代シーケンスと呼ばれる従来のサンガー法シーケンスと比べて圧倒的に大量の塩基配列を短時間で読み取ることが可能な遺伝子解析法が急速に発展し、基礎分野のみならず臨床応用への期待が高まっています。私たちは400家系を超える本邦で最大規模のHCMコホートを有しており、次世代シーケンスによる網羅的な遺伝子解析がHCMの遺伝子診断に有用であることを報告し(2)、発見した遺伝子変異については機能解析を行い、臨床への応用を目指しています。実際に私たちは多数例のHCM症例の検討で、心筋ミオシン結合蛋白C遺伝子に変異を持つHCM患者さんの中でも複数の変異を保有する複合ヘテロ接合体保因者は単一変異保因者と比較してより早期にHCMを発症し、一部の症例では拡張相肥大型心筋症を呈することを見出し、これをゼブラフィッシュを用いた機能解析で明らかにしました(3)。このように心筋症における原因遺伝子、遺伝子変異特異性、変異数などにより臨床病型の推定や有害事象のリスク層別化を目指し、基礎研究、臨床研究に邁進しています。

心筋症の遺伝子検査などのご相談は当教室分子心臓病研究室までご連絡ください(心筋症の遺伝子検査などのご相談は当教室分子心臓病研究室までご連絡ください)。

参考文献

  1. Nagata Y, Konno T, Fujino N, Hodatsu A, Nomura A, Hayashi K, Nakamura H, Kawashiri MA, Yamagishi M. Right ventricular hypertrophy is associated with cardiovascular events in hypertrophic cardiomyopathy: evidence from study with magnetic resonance imaging. Can J Cardiol. 2015 Jun;31(6):702-8. doi
  2. Nomura A, Tada H, Teramoto R, Konno T, Hodatsu A, Won HH, Kathiresan S, Ino H, Fujino N, Yamagishi M, Hayashi K. Whole exome sequencing combined with integrated variant annotation prediction identifies a causative myosin essential light chain variant in hypertrophic cardiomyopathy. J Cardiol. 2016 Feb;67(2):133-9. doi
  3. Hodatsu A, Konno T, Hayashi K, Funada A, Fujita T, Nagata Y, Fujino N, Kawashiri MA, Yamagishi M.Compound heterozygosity deteriorates phenotypes of hypertrophic cardiomyopathy with founder MYBPC3 mutation: evidence from patients and zebrafish models. Am J Physiol Heart Circ Physiol. 2014 Dec 1;307(11):H1594-604. doi
Our Activities ~その心筋症は本当に”特発性”ですか?~
その心筋症は本当に"特発性"ですか?

完全房室ブロックに対してペースメーカーを植え込まれた症例が、数年後に心サルコイドーシスと判明した。拡張型心筋症と診断されていた症例が、入念な身体診察をきっかけに皮膚筋炎に伴う心筋障害であったと判明した。肥大型心筋症と診断されていた症例は、実は心アミロイドーシスだった…。

これらは全て実際にあった症例です。近年、特定心筋症(いわゆる二次性心筋症)に対する知見は深まっています。正しい診断を下すことは、原疾患に対する適切な治療につながるため極めて大切です。私たちは病歴、身体所見を重視しながら(1)(2)様々な新規モダリティを駆使して(3)(4)、心機能障害の背景にある原疾患を正しく診断するよう心がけています。また、その精度を上げるための研究を日々行っています(5)

参考文献

  1. Oe K, Mori K, Gommori S, Konno T, Fujino N, Yamagishi M. Syncope due to paroxysmal atrioventricular block in a patient with systemic sclerosis: a case report. Angiology. 2008 Dec-2009 Jan;59(6):769-71. doi
  2. Oe K, Mori K, Konno T, Yoneda T, Ueyama K, Yamagishi M. Ruptured aneurysm of the sinus of Valsalva with Wildervanck syndrome (cervico-oculo-acoustic syndrome), blepharoptosis and short stature: case report. Circ J. 2007 Sep;71(9):1485-7. doi
  3. Yoshida S, Konno T, Tanaka Y, Hayashi K, Sakata K, Kawashiri MA, Furusho H, Takamura M, Yamagishi M. Impact of Fluorodeoxyglucose Uptake in Right Ventricule on Adverse Events in Patients with Cardiac Sarcoidosis: Observational Study of Combined Use of FDG-PET and LGE-MRI. Eur Heart J 2014 (Abstract).
  4. Konno T, Hayashi K, Fujino N, Nagata Y, Hodatsu A, Masuta E, Sakata K, Nakamura H, Kawashiri MA, Yamagishi M. High sensitivity of late gadolinium enhancement for predicting microscopic myocardial scarring in biopsied specimens in hypertrophic cardiomyopathy. PLoS One. 2014 Jul 7;9(7):e101465. doi
  5. Tanaka Y, Konno T, Yoshida S, Tsuda T, Sakata K, Hayashi K, Furusho H, Takamura M, Yamagishi M. The utility of T wave amplitude in lead aVR on the clinical diagnosis of cardiac sarcoidosis. J Am Coll Cardiol 2016 (Abstract).
脂質異常症に対する専門的治療
脂質異常症に対する専門的治療

私たちの教室ではこれまで40年以上にわたり、遺伝性脂質異常症、特に家族性高コレステロール血症患者さんの診療・研究を行ってきました。これまでに2,000例以上の同症例を経験し、その病態を明らかにするとともに、過去にはスタチン、最近ではPCSK9阻害薬の開発・発展に大きく貢献してきました。近年では次世代シークエンサーを用いた網羅的遺伝子解析を導入し、家族性高コレステロール血症だけでなく、その他の遺伝性脂質異常症に関する臨床診断・遺伝子診断を行っています。これまで、ほぼ全てのタイプの遺伝性脂質異常症を経験し、その診断・治療に携わってきた非常に多くの実績を誇っています。北陸地方は勿論ですが、日本全国の病院・診療所の先生方からの相談・検査依頼にお答えしています。

Our Activities ~難治性希少疾患の臨床診断・遺伝子診断~

最近では、小児期に採血検査などで異常を指摘されるケースも多くあり、一般内科・代謝内科・循環器内科の先生方だけでなく、全国の小児科の先生方からのご相談・検査依頼にお答えしています。実際に多くの診断困難症例に正しい診断を行い、適切な治療方針を導くことに寄与しています。

難治性希少疾患の臨床診断・遺伝子診断

参考文献

  1. Tada H, Kawashiri MA, Okada H, Endo S, Toyoshima Y, Konno T, Nohara A, Inazu A, Takao A, Mabuchi H, Yamagishi M, Hayashi K. A Rare Coincidence of Sitosterolemia and Familial Mediterranean Fever Identified by Whole Exome Sequencing. J Atheroscler Thromb. 2016 Jul 1;23(7):884-90. DOI
  2. Tada H, Hosomichi K, Okada H, Kawashiri MA, Nohara A, Inazu A, Tomizawa S, Tajima A, Mabuchi H, Hayashi K. A de novo mutation of the LDL receptor gene as the cause of familial hypercholesterolemia identified using whole exome sequencing. Clin Chim Acta. 2016 Jan 30;453:194-6. DOI
  3. Tada H, Kawashiri MA, Takata M, Matsunami K, Imamura A, Matsuyama M, Sawada H, Nunoi H, Konno T, Hayashi K, Nohara A, Inazu A, Kobayashi J, Mabuchi H, Yamagishi M. Infantile Cases of Sitosterolaemia with Novel Mutations in the ABCG5 Gene: Extreme Hypercholesterolaemia is Exacerbated by Breastfeeding. JIMD Rep. 2015;21:115-22. DOI

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