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循環器内科教授山岸正和先生の論文

2009.02.19 | Publications | 臨床 |

当教室循環器内科教授山岸正和先生の論文が、アメリカ心臓協会(AHA)・アメリカ心臓学会(ACC)合同で作成されました「不安定狭心症/非ST上昇心筋梗塞患者の管理に関するガイドライン」(原著および邦訳)に引用されています。

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アメリカ心臓協会では、日本循環器学会と同様に、循環器診療ガイドラインを定期的に刊行しています。その中で、欧米では勿論のこと、我が国でも発症が急激に増加しつつあります、不安定狭心症/非ST上昇心筋梗塞患者の管理に関するガイドライン2007の邦訳がこのほど刊行されました(2008年12月)。このガイドラインの中での引用文献は 400編近くにのぼりますが、我が国の研究者の手によります研究の引用は僅か8編に留まっています。このように欧米での成績を中心として作成されたガイドラインに金沢大学循環器内科山岸正和教授の原著論文が引用され、診断・治療の指針として注目されています。このような形で世界の循環器臨床に貢献できたことは、循環器内科を標榜します私たちにとりましても、大変な励みとなります。

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ローレンス・ティアニー先生との鼎談(医学界新聞)

2009.02.12 | 教育 |

当教室リウマチ膠原病内科の松村正巳先生とローレンス・ティアニー先生、青木眞先生の鼎談が医学界新聞に大きく取り上げられました。

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当教室の松村正巳先生と言えば、その名も全国にとどろく、内科診断学教育のエクスパートです。その彼が、これまた内科診断学の世界的権威のローレンス・ティアニー先生の著書「ティアニー先生の診断入門」の邦文訳を出版しました。その記念の鼎談が行われ、医学界新聞に大きく取り上げられました。詳細は2009年2月9日発売の第2817号をご参照ください。

「ティアニー先生の診断入門」増刷中

2008.12.17 | Publications | 教育 |

おかげさまで,11月1日に出版させていただいた「ティアニー先生の診断入門」が医学書院で品切れとなりました。只今増刷中です。来年1月上旬には第2刷が店頭にでますので、お手に取っていただければ幸いです。

リウマチ・膠原病内科
松村正巳

「ティアニー先生の診断入門」
著者:ローレンス・ティアニー,松村正巳
価格:3,150円
医学書院刊

第一部 ティアニー先生の診断の入門―診断のプロセス
第二部 Case Study ―診断に至るプロセス

読みやすくかつ臨床の叡智を凝縮させた書

書評者:藤田 芳郎(トヨタ記念病院 腎・膠原病内科部長)

 本書の扉の推薦のことばに、ティアニー先生と16年間の親交がある青木眞先生の短い名文がある。その青木先生のおかげで、著者の松村先生と同様、私も数年来ティアニー先生に触れる機会を得ることができているが、本書によって改めてティアニー先生というエベレストがいかに出来上がったかを知ることができた。このように読みやすくかつ臨床の叡智を凝縮させた本書の出版に尽力された松村正巳先生に深謝したいと思う。
 臨床において大切なことの1つは、正しい診断とよりよい治療を求めて、権威的にも感情的にもならずに医療者が検討しあうという医療の透明性である。もう1つの推薦のことばを書かれた黒川清先生の名文にも感じる、そういう自由闊達な雰囲気の中でのレベルの高い日々の症例検討の産物が、ティアニー先生という怪物であると私は思ってきた。実際、ティアニー先生の教育は、自由で明るい雰囲気の中で行われる。
 本書では、ティアニー先生という作品ができるために必要不可欠な、それとは別の側面が、先生自身の言葉で語られる。「診断確定における最も大切なのは経験であり、決して本から学べるものではありません」とおっしゃりながらも、一流の教育者でもある先生は、その「経験」を伝えようとわかりやすい言葉で語ってくださっている。たった20ページの中で。
 先生の語る「経験」とは何か。本書をお読みいただくほかはないが、その「経験」を獲得していく過程は、患者さんとのきめ細かい熱心な対話とその分析、対話のなかから原因疾患を掘り起こそうとする努力の積み重ねにほかならず、そのことに強く感動させられた。きめの細かい熱心な対話とはどういうものか、患者さんとの対話をどういう風にしたらよいか、具体的な方法、先生の経験に基づいた方法が述べられている。そして最後に先生の出血大サービスともいうべき「経験」の珠玉、「トップ10パール」が述べられる。次に続く第2部はその応用編のケーススタディである。第2部では教育的症例が厳選され、辞書のように何度も使える鑑別診断の要がちりばめられており、松村先生の労作である。
 「食べ物というのは食われていのちを養うものとなり、残りは糞尿となって排泄されるわけで、(その食べ物を作る農、漁を担当する人は)いわゆる業績というものを残さない」(『文明を問い直す』梅津濟美著、八潮出版社)。いのちに近く働く者はいのちに近ければ近いほど、業績という目に見えるものは残しにくいが、そのかわり「経験」の叡智を獲得し、次世代に伝えたい。臨床(ベッドサイド)にいる我々に、そんな奮起を促し知恵を与えてくださる本書である。臨床医療に携わる全ての方に本書を推薦したい。

AHA 2008 in New Orleans, Louisiana

2008.12.13 | 海外学会 | 学会・研究会 |

毎年激戦を繰り広げるアメリカ合衆国心臓協会(AHA)年次学術集会に、本年も当循環器内科から複数の演題が採択されました。

ルイジアナ州ニューオーリンズで2008年11月9日~12日に渡って開催されました。

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(1)Clinical Impact of Heterozygous Carrier of Autosomal Recessive Hypercholesterolemia on Asymptomatic Hyperlipidemic Patients: Evidence From Familial Gene Analysis
(循環器内科動脈硬化研究室多田隼人大学院生)

(2)Impact of Elevated Plasma Matrix Metalloproteinase-2 on Prognosis in Hypertrophic Cardiomyopathy: Evidence from Long-Term Follow-Up of Genotyped Patients
(循環器内科分子心臓病研究室舛田英一助教)

(3)Impact of Upstream Transcription Factor 1 Gene Variant on Genetically Confirmed Familial Hypercholesterolemia (K790X)(脂質研究室野原 淳助教)

(4)Expression and Eunction of Ephrin/Eph Family Genes in Atherosclerosis-Related Adult Human Cells: From Aspect of Chemotaxis
(循環器内科と阪本英二国立循環器病センター研究室長との共同研究)

(5)Clinical Phenotype of Japanese LQT3 Form of Congenital Long QT Syndrome by Location of Mutation From Japanese Multicenter Registry.
(循環器内科分子心臓病研究室と国立循環器病センターなどとの多施設共同研究)

(6)Aggressive Lipid Reduction by Pitavastatin Reduces Plaque Volume in Acute Coronary Syndrome
(全国多施設共同研究)

 


循環器内科を標榜する私たちにとってAHA,ACCでの学会発表は大変な励みになります。
若い先生方の奮闘が期待されます。

喜びいっぱいの舛田先生(左)と多田先生(右)。

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ティアニー先生の教育セッション

2008.11.11 | 教育 |

ティアニー先生の教育セッションのレポート

ティアニー先生の教育セッション

去る2008年11月7日,8日と金沢でティアニー先生の教育セッションをおこないました。北は青森,南は沖縄久米島から来られた方もいらっしゃいました。
ケーススタディを中心に,病歴,身体所見から診断に至る過程を勉強することができました。

参加された方々の感想です。

昨日は素晴らしいセミナーを開催していただき、本当にありがとうございました。ティアニー先生と松村先生のケーススタディを目の前で見ることができ、感激すると同時にたくさんのことを学ぶことができました。
お蔭さまで、かつてになく興奮してしまうほど熱い2日間となりました。本当の刺激を受けることができ、その上、これからの勉強方法に効果的に響いてくることと思います。
ティアニー先生のケースディスカッション、レクチャーともに得ることが多いです。研修医のときよりも理解力が上がった分、彼の凄さが一段と伝わってきますね!

来年も企画します。ご期待ください。
金沢大学附属病院 リウマチ・膠原病 松村正巳