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Echo Kanazawa 2009

2009.06.08 | 教育 | 学会・研究会 |

Echo Kanazawa 2009は盛会裡に終了しました。

本講習会は、平成18年より始まり、今回で第4回目となります心・血管エコー図の教育研修を目的とするプログラムです。心エコードプラ検査を始めて1~2年目から中級までの臨床医、臨床検査技師の方々を対象とし、現在全国の第一線で活躍されている医師および技師の方々に心エコー検査の進め方、心エコー・ドプラ、および血管エコー計測法について実際に症例を呈示しながら講演して頂きました。講演には多くの症例の動画像を提示して頂き、また従来から症例のライブデモンストレーションを行い、多くの講習生の皆様方にわかりやすく習得していただくことを目指しました。本年は、Echo Kanazawa  2008に参加していただいた方々の要望もあり、血管エコーの講義、症例ライブを充実させました。また、基本から最先端超音波画像技術などに関する講演をはじめ、各講演、ライブにおきまして、北陸、全国でトップレベルの講師陣によるプレゼンテーションを企画しました。今や心エコー・ドプラ検査による正確な病態把握、診断、治療方針の決定は臨床の場で必要不可欠です。本講習会が循環器系医師、超音波検査技師の技術向上、心エコー診断レベルの向上に寄与するものと確信しております。

Echo Kanazawa 2009は5月30、31日の2日間、北は北海道から南は九州福岡まで、計402名の皆様にご参加頂き、無事終了しました。折からの新型インフルエンザ流行の影響が心配されましたが、幸い石川県での新規発生もなく、開催にこぎつけることができました。石川県庁近くの地場産業展示館本館の大会議室は終始、参加者で埋めつくされ本会への期待の大きさを物語っておりました。

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恒例の会場となりました、地場産業展示館。金沢駅からは少々距離がありますが、駐車場の問題などを考えますと、現在のところ一番利便性が高いと考えております。

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会場を埋め尽くした参加者の皆様。開始から終了まで聴講者が殆ど減らないのが、Echo Kanazawaの特色です。また、ライブ企画では、実際の症例を、現場の技師、医師の手により心エコー画像をその場で再現する醍醐味を存分に味わって頂けたのではないかと思っています。

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会場正面に設置されました、特設心エコー検査場(左)で実際の症例診断を進めました(右)。
更に、関係各方面の多大なご協力も得ることができましたのも、実のある講習会になった要因でございます。

講習会講師、座長をお願いした、金沢大学循環器内科の高村雅之先生。

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同じく座長の藤野陽先生

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来年もEcho Kanazawa 2010を2010年6月26、27日に渡って開催予定しております。参加頂く皆様の御所属からも、Echo Kanazawaが全国的にも益々注目されつつあることが窺えます。皆様方のご意見、ご希望をお伺いし、より実のある講習会に育て上げたいと願っております。ご期待ください。

土田真之先生が北陸中日新聞の一面を飾りました!

2009.06.01 | 研究 |

当教室の大学院生・循環器内科土田真之先生の論文が、北陸中日新聞の第一面を飾りました。

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2009年5月28日は私ども教室員にとって、忘れがたい日となりました。当科大学院生で現在厚生連高岡病院循環器内科で活躍しています、土田先生の顔写真が同日の北陸中日新聞の第一面を飾ったのです。

時勢が時勢だけに、これをご覧になった瞬間、「ドキッ」とされた皆様も大勢いらしたことと思います。筆者も事前通知のない、第一面の記事だけに少々驚いた次第です。

この特集は、既にお知らせしておりました日本循環器学会誌Circulation Journalに掲載された能登半島地震と循環器疾患に関する内容を要約したものです。

大規模災害に対する、県民、国民の意識の高さを推し量ることができますと共に、本記事を掲載されました北陸中日新聞社に心より敬意を表します。

 

北陸中日新聞(2009年5月28日)

 

教授 山岸正和

第4回Dar El Fouad病院国際循環器会議(2009年4月、カイロ)

2009.05.01 | 海外学会 | 学会・研究会 |

第4回Dar El Fouad病院国際循環器会議(4月22-23日、カイロ)での山岸正和教授の招待講演の模様をお伝えします。

去る4月22-23日エジプト共和国カイロにあります、名門Dar El Fouad病院とカイロ大学医学部循環器内科の共催により開催されました第4回Dar El Fouad病院国際循環器会議に、当科山岸正和教授が唯一の日本人として招待を受け、講演しました。本会議はカイロ大学循環器内科准教授のDr. Amr Mostafa氏が学術委員長として開催され広く循環器病学に関する最新の意見交換を行うものでした。

カイロ大学循環器内科准教授Dr. Arm Mostafa氏(右)

地元エジプトや中近東諸国、米国、フランス、イタリアそして日本と、非常にバラエティーに富むメンバーが参加しての開催でした。

女性医師もスカーフ着用が多い
女性医師もスカーフ着用が多い

エジプトでも生活習慣病の蔓延が大変な話題となっており、動脈硬化性血管疾患の話題が中心でしたが、山岸教授は要請によりTakayasu arteritisと心血管再生医学についての講演を行いました。Takayasu arteritisは金沢大学で見出された疾患でもあり、発表に当たってはこの点も強調されたとのことです。

Takayasu arteritisについて講演する山岸教授
Takayasu arteritisについて講演する山岸教授

カイロは人口1800万人の東京以上の大都会です。

カイロ市内は雑然としているが人口は1800万です。
市内から30分でギザのピラミッドに着きます。

欧米のみならず、我が国とも繋がりの深い、かの地での講演依頼を受けたことは、循環器病学を標榜する私たちにとって大変な誇りを感じます。

ACC 2009 in Orlando, Florida

2009.04.13 | 海外学会 | 学会・研究会 |

日本循環器学会での発表興奮も冷めない翌週(2009年3月29日~31日)にアメリカ合衆国心臓学会(ACC)がフロリダ州オーランドで開催され、金沢大学循環器内科グループから多くの学術研究教育発表がなされました。

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昨年のACC記事はこちら

ACC 2008 in Chicago, Illinois

 

折からの世界不況の影響が心配され、予想通り、アメリカ国内、欧州からの参加者がかなり減っていたようです。

会場となったオーランドコンベンションセンターはともかく広大です。日本からの参加者が相対的に多い中、私たちの仲間が果敢に英語での発表に挑戦しました。日頃は口数の少ない舟田 晃先生(金沢大学大学院、現救急部助教)による「肥大型心筋症と心房細動」には何故か多くの女性医師からの質問があり、うまく反応しておられたようです。

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ポスターによる発表ではタイトル部分を持参するのを忘れることが多く、事前のチェックが肝要なことは古くから先輩諸氏から言い伝えられていることですが、坪川俊成先生(金沢大学大学院)は予想どおり、手書タイトルでの発表となりました。

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留学中のスタンフォード大学から参加した坂田憲治先生の発表には長い討論時間がさかれました。

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今回のACCでの特筆すべき事に、林研至先生の「QT延長症候群に関わる新たな原因遺伝子に関する研究」が、優秀アワードにノミネートされたことが挙げられます。臨床重視のACCのアワードに、日本人研究者が指名されることは少なく、私たちの金沢大学循環器内科グループの臨床研究レベルの高さの示したものと言えます。

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優秀アワードポスターに指定され、最終採点者に解説する林先生。
また、山岸正和教授が「Stress-induced cardiomyopathy」と題したLuncheon with meet expertsのセッションでアメリカ合衆国、ドイツの臨床医とともに、90分に及ぶ症例検討を行ったことも注目されます。

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学会発表といいますと、とかく研究発表に重きがおかれる印象がありますが、特に臨床教育にも重きをおくACCでの臨床症例検討の場に私たち金沢大学循環器内科の仲間が積極的に関わることができましたことは、日頃の臨床教育や、研究診療レベルの高さを評価されてのことと思われます。循環器内科を標榜します私たちにとりましては、何よりの誇りでもありますし、励みとなります。

オーランド市はディズニーワールドがあることでも有名ですが、今回はご家族同伴での発表もあったようで、学会終了後にディズニーワールドやNASA宇宙センターを訪問された方も多かったようです。日頃希薄になりがちなご家族との時間を過ごすという意味でも有意義な学会でした。

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シンポジウムなど:
1. Masakazu Yamagishi,
ACC.Lunch With the Experts
316. Stress-Induced Cardiomyopathy: Managing the Broken Heart
Tue, Mar 31, 12:15 – 1:45 PM

金沢大学循環器内科オリジナル研究発表
1. Kenji Sakata et al. Intravascular Ultrasound Appearance of Scattered Necrotic Core Pattern as New Index for No-reflow Phenomenon During Intervention in Acute Coronary Syndrome
2523. Intravascular Diagnostics
Mon, Mar 30, 3:30 – 4:30 PM

2. Kenshi Hayashi et al. Coexpression With Trafficking-Competent KvLQT1 Selectively Rescues HERG LQT2 Mutations
1002. ACC.09 Best Poster Awards Competition
Mon, Mar 30, 9:00 AM – 4:30 PM

3. Akira Funada et al. Impact of Renin-Angiotension System Polymorphisms on Occurrence of Atrial Fibrillation Associated With Heart Failure in Hypertrophic Cardiomyopathy: Results From Clinical and Gene Analyses of Genotyped Patients
1033. Myocardial Function/Heart Failure–Clinical Pharmacological Treatment; Cardiomyopathies/Myocarditis/Pericardial Disease
Mon, Mar 30, 9:30 AM – 12:30 PM

4. Toshinari Tsubokawa et al. Progressive Left Ventricular Remodeling and Adverse Cardiac Events in Hypertrophic Cardiomyopathy Associated With Mutations in Cardiac Troponin Genes:Longitudinal Ten-Year Follow-Up
1042. Cardiomyopathies/Myocarditis/Pericardial Disease; Cardiac Transplantation/Assist Devices–Basic and Clinical ;Myocardial Function/Heart Failure–Clinical Nonpharmacological Treatment
Mon, Mar 30, 1:30 – 4:30 PM

5. Toshinari Tsubokawa et al. Impact of Antioxidative and Antiapoptotic Effects of Mesenchymal Stem Cells on Salvaging Ischemic Heart Injury: Role of Transient Overexpression of Heme Oxygenaze-1
1015. Myocardial Function/Heart Failure—Basic/Molecular; Myocardial Function/Heart Failure–Clinical Pharmacological Treatment
Sun, Mar 29, 9:30 AM – 12:30 PM

6. Hayato Tada et al. A New Method for Determining Functional LDL-C Receptor Activity in Hypercholesterolemic Patients: Application of CD3/CD28 Assay in Lymphocytes
1012. Pharmacology/Hormones/Lipids—Clinical I
Sun, Mar 29, 9:30 AM – 12:30 PM

国立循環器病センターとの共同研究
1. Chiaki Nakanishi et al. Impact of Enhanced Expression and Secretion of Cell Proliferation Related Genes and Proteins in Adipose-Derived Mesenchymal Stem Cells on Salvaging Vascular and Heart Failures: Insights From Microarray Analysis
1014. Myocardial Ischemia/Infarction–Basic
Sun, Mar 29, 9:30 AM – 12:30 PM

多施設共同研究
1. Nobuaki Kokubu et al. Intravascular Ultrasound Analysis of Coronary Atheroma in Patients With and Without Chronic Kidney Disease Following Statin Therapy: Insights From JAPAN-ACS Study
1012. Pharmacology/Hormones/Lipids—Clinical I
Sun, Mar 29, 9:30 AM – 12:30 PM

2. Kiyoshi Hibi et al. Polyvascular Disease and Regression of Coronary Atherosclerosis After Statin Therapy in Patients With Acute Coronary Syndrome. A JAPAN-ACS (Japanese Assessment of Pitavastatin and Atrovastatin in Acute Coronary Syndrome) Substudy
1013. Vascular Biology/Atherosclerosis/Thrombosis/Endothelium I
Sun, Mar 29, 9:30 AM – 12:30 PM

3. Takafumi Hiro et al. Diabetes Mellitus Is a Pivotal Determinant of Coronary Plaque Regression During Statin Therapy in Patients With Acute Coronary Syndrome: Serial Intravascular Ultrasound Observations From the JAPAN-ACS Trial
1021. Pharmacology/Hormones/Lipids—Clinical II
Sun, Mar 29, 1:30 – 4:30 PM

4. Yoshihisa Nakagawa et al. Influence of Drug-eluting Stent Implantation With Lipid Lowering Therapy to the Plaque Regression Located Apart From the Stented Segment, Sub-analysis of JAPAN-ACS Trial
2510. PCI – DES II
Sun, Mar 29, 3:30 – 4:30 PM

 


来年のACCはアトランタ市での開催予定です。日本循環器学会と同様、関連病院を含めて一人でも多くの仲間と参加し、大いに語り合いたいものです。

第73回日本循環器学会学術集会(2009年3月、大阪)

2009.03.28 | 国内学会 | 学会・研究会 |

2009年3月20日から22日にかけて大阪国際会議場において、日本循環器学会学術集会が開催されました。

 

>昨年(2008年)の第72回学術集会(福岡)の記事はこちらへ

 

金沢大学循環器内科グループから多くの学術研究教育発表がなされました。大阪での日本循環器学会(3月20-22日)では、発表の花形のシンポジウム、プレナリーセッション、トピックなどに5題、また一般演題にはグループとして総計20題近くの発表がありました。

シンポジウムでは林 研至先生(金沢大学助教)の「2次性QT延長症候群に関わる危険因子」の演題発表が行われました。

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道下一郎先生(横浜栄共済病院循環器内科)の「脂質低下療法と動脈硬化粥腫」、また今回の超目玉であります大家理恵先生(北陸中央病院内科)の「メタボリック症候群に関わるリスクファクター」には600名を超える聴衆が参加し、活発な討論がなされたことが印象的でした。

 

一般演題では、ポスター発表が中心でしたが、土田真之先生(金沢大学大学院)の「ステント除去システムの開発」や新しく採用されたE-ポスターでの多田隼人先生(金沢大学大学院)の発表が特に注目をあつめていたようです。

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また、これまで以上に関連病院の先生方の発表も活発で、郭文治先生(富山赤十字病院循環器内科)、原城達夫先生(高岡市民病院循環器内科、現加賀市民病院内科)、堀田祐紀先生(金沢循環器病院)(下の写真)、三輪健二先生(トピック、石川県立中央病院循環器内科)、村上達明先生(福井循環器病院)の発表などが特に目を引いていました。このように関連病院の先生方の活躍が目立つようになったのも、金沢大学循環器内科グループ全体のレベルアップの結果と想われ、益々の発展が期待されます。

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