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日本総合健診医学会第45回大会

2017.02.11 | 国内学会 | 学会・研究会 |

2017年1月27日~28日にかけて、日本総合健診医学会第45回大会が東京ベイ舞浜ホテルクラブリゾートで開催されました。

 

 

当教室から川尻剛照准教授が発表を行いました。

シンポジウム3
家族性高コレステロール血症の心血管合併症と新しい治療
川尻剛照

家族性高コレステロール血症はもっとも頻度の高い先天性代謝異常症で、健診で見出されることも多い疾患です。日本動脈硬化学会とのジョイントで、同学会理事長の山下静也先生(りんくう総合医療センター病院長)、横手幸太郎先生(千葉大学細胞治療内科学講座教授)らとともに当科の川尻剛照准教授が同症の病態と難治性高コレステロール血症の新しい治療薬(PCSK9阻害剤)につき解説しました。

日本循環器学会第81回学術集会(金沢)の紹介ビデオが発信!

2017.02.08 | 学会・研究会 |

来る2017年3月17日(金)~19日(日)の3日間に渡って日本循環器学会第81回学術集会がここ金沢で開催されます。日本全国、そして世界から参加者を迎えることになります。

今回、開催地金沢と学会を主催する当教室を紹介するビデオを作成しました。是非ご覧ください。

 

81JCS promotion 160129 04 1 1-222 from 日循金沢 on Vimeo.

JACC掲載論文まとめ

2017.02.05 | Publications |

ACC(American College of Cardiology、アメリカ心臓学会)はAHA(アメリカ心臓協会)と並んで、心血管疾患を扱う学術団体ではメジャーな存在です。

ACCが発行する学術誌Journal of American College of
Cardiology
(JACC, J Am Coll Cardiol)はimpact factor 16.5 (2014/2015)と循環器領域の臨床研究者が目標にするメジャージャーナルです。

今回はこのJACC誌に掲載された当教室関連の論文をご紹介します。

 

山岸正和教授Yamagishi

Yamagishi M, Nissen SE, Booth DC, Gurley JC, Koyama J, Kawano S, DeMaria AN. Coronary reactivity to nitroglycerin: intravascular ultrasound evidence for the importance of plaque distribution. J Am Coll Cardiol. 1995 Jan;25(1):224-30.(被引用回数33回)

要約:ニトログリセリンの冠動脈内投与によるヒト冠動脈拡張を血管内超音波法を用いて検討したものです。ニトログリセリン投与50-60秒で最大拡張が得られること、また偏心性、中心性の動脈硬化病変では拡張形態が異なることを示しています。

 

Yamagishi M, Miyatake K, Tamai J, Nakatani S, Koyama J, Nissen SE. Intravascular ultrasound detection of atherosclerosis at the site of focal vasospasm in angiographically normal or minimally narrowed coronary segments. J Am Coll Cardiol. 1994 Feb;23(2):352-7. (被引用回数149回)

要約:血管内超音波法をもちいて、冠動脈痙攣縮発生部位を観察した臨床論文です。冠動脈痙攣縮発生部位には、例え冠動脈造影で病変を認めなくても動脈硬化初期病変が存在することを示唆した初めて臨床論文です。

 

Yamagishi M, Terashima M, Awano K, Kijima M, Nakatani S, Daikoku S, Ito K, Yasumura Y, Miyatake K. Morphology of vulnerable coronary plaque: insights from follow-up of patients examined by intravascular ultrasound before an acute coronary syndrome. J Am Coll Cardiol. 2000 Jan;35(1):106-11. (被引用回数317回) doi

要約:血管内超音波法を用いて冠動脈動脈硬化粥腫を観察し、不安定粥腫の同定を可能にした論文です。現在尚引用され続けています。

 

 

川尻剛照准教授kawashiri

Kawashiri MA, Ishibashi-Ueda H, Funada A, Yoshimuta T, Konno T, Hayashi K, Yamagishi M. Erdheim-Chester disease involving the brain and the heart.
J Am Coll Cardiol. 2014 Mar 25;63(11):1121. doi

 

 

 

今野哲雄助教konno

Konno T, Shimizu M, Ino H, Matsuyama T, Yamaguchi M, Terai H, Hayashi K, Mabuchi T, Kiyama M, Sakata K, Hayashi T, Inoue M, Kaneda T, Mabuchi H. A novel missense mutation in the myosin binding protein-C gene is responsible for hypertrophic cardiomyopathy with left ventricular dysfunction and dilation in elderly patients.
J Am Coll Cardiol. 2003 Mar 5;41(5):781-6.doi

要約:拡張型心筋症と診断された患者の約1%に拡張相に移行した肥大型心筋症患者が存在することを、世界で初めて遺伝学的手法を用いて証明した論文です。心筋症の臨床分類に遺伝学的見地から一石を投じた本論文は、循環器病の代表的教科書であるBrawnwald’s Heart Diseaseにも引用されました。

 

多田隼人助教2517

Tada H, Masuta E, Mori M, Tsubokawa T, Konno T, Hayashi K, Uchiyama K, Kawashiri MA, Tomita S, Watanabe G, Yamagishi M. Perfect correspondence of mitral valve perforation using real-time 3-dimensional transesophageal echocardiography. J Am Coll Cardiol. 2012 May 22;59(21):1914. doi

要約:三次元心臓超音波画像による僧帽弁穿孔の所見の記載です。僧帽弁前尖に生じた穿孔を超音波法で観察し、心臓外科手術の一助となる貴重な所見を記載しています。

 

Tada H, Tsubokawa T, Konno T, Hayashi K, Uchiyama K, Kawashiri MA, Tomita S, Ino H, Watanabe G, Yamagishi M. Impact of bilateral internal thoracic-to-epigastric artery communications on salvaging total lower limb ischemia.
J Am Coll Cardiol. 2011 Aug 2;58(6):654. doi

 

吉田昌平助教yoshida

Yoshida S, Nambu S, Matsubara T, Yasuda T, Miwa K, Inoue M, Teramoto R, Okada H, Kanaya H, Tsubota M, Konno T, Hayashi K, Kawashiri MA, Yamagishi M. Platypnea-Orthodeoxia syndrome: insights of mechanism from imaging.
J Am Coll Cardiol. 2013 Jun 13.  doi

要約:通常ヒトは心不全状態になると立位より臥位において血液中酸素飽和度は低下します。臥位では心臓への血液潅流が過度に増大し、臓器うっ血を増強させることが主たる原因とされています。座位(立位)でむしろ酸素飽和度が低下する症例の経験から、そのメカニズムに迫る画像を提供しています。

 

田中仁啓医師tanaka

Tanaka Y, Sakata K, Kawashiri MA, Nakanishi C, Konno T, Yoshimuta T, Hayashi K, Tomita S, Watanabe G, Yamagishi M. Impact of fluoroscopically-visible fluttering flap on clinical diagnosis of acute aortic dissection.
J Am Coll Cardiol. 2014 Apr 15;63(14):e31. doi

要約:X線透視法にて同定された“羽ばたきフラップ”サインが急性大動脈解離の診断に有用であった症例報告です。

 


関連病院、ご開業の先生方の業績についてもご紹介します。また、姉妹誌のJACC Hear Failure誌にも掲載があり、こちらもIF7点台の一流雑誌です。

桶家一恭医師(厚生連高岡病院循環器内科診療部長)

Okeie K, Shimizu M, Yoshio H, Ino H, Yamaguchi M, Matsuyama T, Yasuda T, Taki J, Mabuchi H.
Left ventricular systolic dysfunction during exercise and dobutamine stress in patients with hypertrophic cardiomyopathy.
J Am Coll Cardiol. 2000 Sep;36(3):856-63.

 

由雄祐之医師(由雄クリニック院長)

Yoshio H, Shimizu M, Kita Y, Ino H, Kaku B, Taki J, Takeda R.
Effects of short-term aminophylline administration on cardiac functional reserve in patients with syndrome X.
J Am Coll Cardiol. 1995 Jun;25(7):1547-51.

Yoshio H, Shimizu M, Kita Y, Ino H, Taki J, Takeda R.
Left ventricular functional reserve in patients with syndrome X: evaluation by continuous ventricular function monitoring.
J Am Coll Cardiol. 1993 Nov 1;22(5):1465-9.

 

藤田崇志医師(厚生連高岡病院循環器内科)

Fujita T, Fujino N, Anan R, Tei C, Kubo T, Doi Y, Kinugawa S, Tsutsui H, Kobayashi S, Yano M, Asakura M, Kitakaze M, Komuro I, Konno T, Hayashi K, Kawashiri MA, Ino H, Yamagishi M. Sarcomere gene mutations are associated with increased cardiovascular events in left ventricular hypertrophy: results from multicenter registration in Japan.
JACC Heart Fail. 2013 Dec;1(6):459-66. doi

 

山本隆介医師(小松市民病院循環器内科)

Yamamoto R, Kawashiri MA, Tada H, Tsubokawa T, Uchiyama K, Konno T, Hayashi K, Saito T, Ohta K, Yachie A, Yamagishi M. Anomalous origin with myocardial bridging in coronary artery: stealth images in computed tomography.
J Am Coll Cardiol. 2012 Dec 11;60(23):2419. doi 

 

今後もこのような世界的にもインパクトの強い学術誌での発表を目指し、リサーチマインドを持って臨床内容を充実させていきます。

ASN2016(アメリカ腎臓学会)体験記

2017.02.02 | 海外学会 | 学会・研究会 |

2016年11月15日~20日にシカゴのMcCormick Placeapp-kwでアメリカ腎臓学会(ASN, Kidney Week 2016)が開催されました。今回でASNは50周年を迎えています。

 

 

学会報告

小松→羽田、羽田→シカゴと直行便で片道約12時間のフライトでした。シカゴは到着した時には比較的過ごしやすい気候でしたが、1日の中で寒暖差が激しく、学会後半には本格的な寒波でマフラー・手袋が放せませんでした。


Satoshi Hara
The Clinicopathological Characteristics Of Central Fibrous Nodule In Glomerular Vascular Pole

原先生は、腎糸球体血管極における線維性結節について臨床病理学的に解析されました。これは今までに解析されたことのない新たな病理所見の提示であり、日常の診療の中でふと疑問に感じられたことを鋭い視点でまとめておられます。海外の多くの先生も共感され、活発なディスカッションが行われました。


Akari Wada
A case of IgG4-related kidney disease with predominantly unilateral renal atrophy

臨床で経験したIgG4関連疾患の維持療法中に片腎優位の萎縮を来す症例を報告しました。昨年度は上級医の先生が発表された国際学会に同行し多くの刺激を受けましたが、医師4年目となる今年、初めて海外での発表を経験しました。最初は緊張しましたが、海外の先生とディスカッションすることもでき、今後のモチベーションアップにつながりました。


 

 

 

 

McCormick Placeはアメリカ最大のコンベンションセンターだそうです。ポスター会場には広大で 数多くのポスター演題が壮観でした。

学会2日目には移植医療のスペシャリストであるオーストラリアのPatrick (Toby) Coates先生と夕食を共にさせていただき、また3日目には竹本文美先生(JCHO東京城東病院)、上杉憲子先生(筑波大学)、白井小百合先生(聖マリアンナ医科大学)との懇親会を楽しませていただきました。他施設の先生ともお話できる貴重な機会でした。

 

観光編

シカゴは摩天楼発症の地と呼ばれる名の通り、ミシガン湖に沿って高層建築物が立ち並んだ美しい景観でした。

 

 

  

ピカソ(左)やシャガール(右)等の野外アートも魅力的でした。

街の中心部付近にあるシカゴ美術館はアメリカ3大美術館の一つで、広大な敷地に西洋~東洋まであらゆる美術品を鑑賞できました。1日ではとても回りきれない広さでした。

謝辞
直接ご指導をいただいた山田先生、貴重なご意見をくださった川野先生、藤井先生、水島先生、今回の発表・学会にあたり支えとなってくださった加賀市医療センター 水冨先生、先生方のお力で有意義な学会となりました。ありがとうございました。今後も海外・国内学会ともに積極的に挑戦したいと思います。

加賀市医療センター内科
和田 明梨

 

 

2017年循環器研究室新年会

2017.01.30 | 医局行事 |

2017年1月14日(土)、ホテル金沢にて教室の循環器研究室新年会が執り行われました。

一般演題では金沢大学の野村章洋先生がHarvard大学留学の報告を行い、石川県立中央病院の三輪健二先生がPCI中のOCT解析の成果を発表され、当教室の基礎・臨床両面での充実ぶりを示す内容でした。

特別講演は香川大学循環器内科教授の南野哲男先生をお招きし、「虚血性心疾患に対する新しい治療法の開発」と題して最新の研究成果をご発表頂きました。その後の討議では教室の若手医師からの熱い質問が相次ぎ充実した内容となりました。

 

 

 

その後の懇親会では芳珠記念病院の森清男先生に乾杯の音頭を取って頂き、会場の様々な場所で旧交を温められる姿や、若手医師のよもやま話がつきませんでした。

中締めはかないわ病院の金谷法忍先生にご登壇頂き、若いドクターへの激励のお言葉を頂きました。そして、来る第81回日本循環器学会学術集会に向けての結束が呼びかけられ散会となりました。

このような研究室の繋がりを明日の臨床・研究への活力とし、大いに教室の活動を盛り上げていきたいと思います。