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英語原著論文の意義

2017.06.28 | Publications | 教育 | 臨床 |

当教室からの英語原著論文はホームページ内の「これまでの業績」に収められています。

koremae

 

 

原著論文を執筆するにあたりましては、以後その論文がどのようにインパクトをもって引用されるかという点も大変関心あるところです。ちょっと前になりますが、The Lancet誌に、引用文献数160篇の肥大型心筋症に関します総説が掲載されました。

Hypertrophic obstructive cardiomyopathy.
Veselka J, Anavekar NS, Charron P.
Lancet. 2017 Mar 25;389(10075):1253-1267. Review. doi 

我国からの引用は6篇を数えましたが、そのうちの一つに、当方の藤田崇史氏、藤野陽氏、林研至氏らによります遺伝子関連の原著論文が引用されています。

Fujita T, Fujino N, Anan R, Tei C, Kubo T, Doi Y, Kinugawa S, Tsutsui H, Kobayashi S, Yano M, Asakura M, Kitakaze M, Komuro I, Konno T, Hayashi K, Kawashiri MA, Ino H, Yamagishi M. Sarcomere gene mutations are associated with increased cardiovascular events in left ventricular hypertrophy: results from multicenter registration in Japan. JACC Heart Fail. 2013 Dec;1(6):459-66.DOI

 

今後も、このような形で引用され続けるような研究を進めることも大切でしょう。

TAVI(経カテーテル大動脈弁留置術)を開始しました

2017.06.25 | 臨床 |

金沢大学附属病院で石川県唯一のTAVI(経カテーテル大動脈弁留置術)を行っています。

 

 

 

2016年4月に金沢大学附属病院に待望のハイブリッド手術室が設置され、その後、石川県では唯一のTAVI実施施設として認定されました。それ以来、石川県の要望に応えるよう万全の体制を整え着々と実績を積んでいます。

金沢大学附属病院内の北陸ハートセンターでは、TAVI実施以前より高度な医療を必要とする患者様に対して、循環器内科専門医および心臓血管外科専門医がチームとして取り組んできた実績があります。TAVI導入後、北陸ハートセンターでは、循環器内科専門医、心臓外科専門医に加え、心臓超音波専門医、心臓麻酔専門医の他、放射線技師、臨床工学士、生理機能検査技師、看護師などのコメディカルで構成されたハートチームとして、術前よりハートセンターカンファレンス、TAVIカンファレンスを行い、各領域の専門家と情報を共有し、個々の患者様に最適な治療を提供できるよう綿密に討論を行っています。

循環器内科術者は、TAVI実施施設認定前より豊富な冠動脈カテーテル治療の経験と、大動脈バルーン拡張術の経験を積み重ねてきた坂田憲治先生、舟田晃先生、蒲生忠継先生、心臓外科術者は、豊富な心臓手術経験に加え、海外にてTAVIを行ってきた実績のある飯野賢治先生とハートチームメンバーが総力をあげて患者様に安全かつ確実なTAVI治療を提供できるよう努めています。

TAVIの治療に悩んでいる患者様、TAVIの適応、症例のご相談等がありましたら一度当教室までご連絡、ご紹介下さい。

 

山岸正和
金沢大学医薬保健研究域医学系教授
大学院医薬保健学総合研究科循環器病態内科学
金沢大学保健管理センター長
附属病院北陸ハートセンター長

 

TAVIについての詳しい情報はこちらをご覧ください。

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第81回 日循金沢 速報⑧(金沢宣言)

2017.06.22 | 国内学会 | 学会・研究会 |

3月に金沢で開催されました、第81回日本循環器学会学術集会では、心血管病から若者の命を守る「金沢宣言:ストップCVD(心臓血管病)」が発せられました。

 

2017年3月18日 北國新聞
2017年3月19日 北國新聞

 

循環器病の多くは、不適切な食事や運動不足、喫煙などの好ましくない生活習慣および肥満症・高血圧症・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病に起因する動脈硬化を基盤に発症します。近年の社会環境や生活習慣の変化により、生活習慣病や循環器病の発症が低年齢化してきていることを鑑みると、子供や若者に対して、循環器病の発症を予防するための知識の普及や行動変容の啓発など社会的な対策が喫緊の課題と考えられます。2016年12月に日本循環器学会と日本脳卒中学会は、関連する学会と協力し『脳卒中と循環器病克服5か年計画』を策定しました。その中で、今後5年間で「人材育成」、「医療体制の充実」、「登録事業の促進」、「予防・国民への啓発」、および「臨床・基礎研究の強化」の5つの戦略によって、脳卒中と循環器病の克服(ストップCVD)へ向けた多方面からの改革を実施していく方針を打ち出しています。日本循環器学会は、循環器病における予防の重要性を再認識し、子供や若者も含めた社会全体への循環器病予防の啓発活動を通じて、生涯にわたる循環器病の発症予防ならびに健康寿命の延伸へ向けた活動を推進していくことを宣言します。

 

危機管理に関する講演会

2017.06.19 | 学会・研究会 |

去る平成29年5月18日に附属病院経営企画部の主催で危機管理に関する講演会が開催されました。当教室の山岸正和教授が企画の発案・運営を行いました。

 

 

講師は警視総監を務められた池田克彦氏です。危機発生からの対応だけではなく、予想・予防的対応からの一連危機管理、クライシスコミュニケーションなどについて、学ぶ機会となりました。

池田氏は警察庁で永らく警備警察分野を歩まれ、北海道・洞爺湖サミットの折には警備部門のトップとして差配されたご経験をお持ちであり、原子力規制庁長官として原子力災害の対応をされてきました。

危機管理とは、事後処理のごとく世間では理解されがちです。しかし、危機管理の本質をリスクコントロール・ ダメージコントロールと捉えたうえで、クライシスコミュニケーションまでを視野に入れたお話を、過去の福島第一原発事故や成田空港管制塔事件、広島バスジャック事件などを例にご講演頂きました。

医療機関や学内での小規模な危機管理はもちろんのこと、昨今のテロの発生状況や地域として想定する大規模事故などの事態に対して、教職員・医療従事者などがあらかじめ対応を考えるうえで貴重な機会となりました。

 

 

高尿酸血症・痛風の話題

2017.06.16 | 臨床 |

2017年5月27日付けの北國新聞「丈夫がいいね」に当教室の臨床内容を紹介する記事が掲載されました。

 

 

当院リウマチ膠原病内科の藤井外来医長が高尿酸血症・痛風の最新の診療について分かりやすく解説しています。

 

北國新聞「丈夫がいいね」過去記事一覧

2017年5月 肺動脈性肺高血圧についての話題(川尻剛照准教授)

2017年4月 関節リウマチについての話題(川野診療科長・講師)

2017年1月 急性心不全ついての話題(坂田講師)

2016年12月 膠原病診療についての話題(川野診療科長・講師)

2016年8月 高血圧・糖尿病についての啓蒙活動(米田隆准教授、若山綾子特任助教)

2016年7月 動脈硬化性疾患の啓蒙活動(川尻剛照准教授)

2015年12月 ヒートショック現象の話題(今野哲雄助教