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パンチのある総説を執筆しました

2015.09.14 | Publications | 研究 |

2517当科助教多田隼人先生らが執筆しました冠動脈疾患、脂質異常症と新しい遺伝子異常背景に関します総説論文が出版されました。

Tada H, Kawashiri MA, Konno T, Yamagishi M, Hayashi K.
Common and Rare Variant Association Study for Plasma Lipids and Coronary Artery Disease.
J Atheroscler Thromb. 2016;23(3):241-56. doi
Abstract
Blood lipid levels are highly heritable and modifia9141ble risk factors for coronary artery disease (CAD), and are the leading cause of death worldwide. These facts have motivated human genetic association studies that have the substantial potential to define the risk factors that are causal and to identify pathways and therapeutic targets for lipids and CAD.The success of the HapMap project that provided an extensive catalog of human genetic variations and the development of microarray based genotyping chips (typically containing variations with allele frequencies >5%) facilitated common variant association study (CVAS; formerly termed genome-wide association study, GWAS) identifying disease-associated variants in a genome-wide manner. To date, 157 loci associated with blood lipids and 46 loci with CAD have been successfully identified, accounting for approximately 12%-14% of heritability for lipids and 10% of heritability for CAD. However, there is yet a major challenge termed “missing heritability problem,” namely the observation that loci detected by CVAS explain only a small fraction of the inferred genetic variations. To explain such missing portions, focuses in genetic association studies have shifted from common to rare variants. However, it is challenging to apply rare variant association study (RVAS) in an unbiased manner because such variants typically lack the sufficient number to be identified statistically.In this review, we provide a current understanding of the genetic architecture mostly derived from CVAS, and several updates on the progress and limitations of RVAS for lipids and CAD

従来、家族性高コレステロール血症、肥大型心筋症、遺伝性不整脈症候群などを代表とします、メンディリアン型の遺伝を示す疾患については、限られた領域の遺伝子変異が表現系を規定することから、少数の症例からでも原因遺伝子の特定が可能でした。しかし、広義の冠動脈疾患、糖尿病、高血圧など、多因子が関与する疾患群においては必ずしも原因遺伝子の特定は容易ではありませんでした。最近のGWAS, Whole genome解析など、従来の手法では困難であった疾患群での原因、あるいは疾患発症関連遺伝子の検索がひろくなされるようになってきました。当教室の多田、川尻、今野、林氏らはこれまで、メンディリアン型遺伝性疾患の原因遺伝子の特定や機能解析に従事してきました。かかる、実績をもとに、最近の遺伝子診断から疾患の0次予防への展望を解説しています。是非ご一読いただければと推薦いたします。

関連文献
Hayashi K, Konno T, Tada H, et al. Functional Characterization of Rare Variants Implicated in Susceptibility to Lone Atrial Fibrillation.
Circ Arrhythm Electrophysiol. 2015 Oct;8(5):1095-104. doi

Konno T, Hayashi K, Fujino N, et al. Electrocardiographic QRS Fragmentation as a Marker for Myocardial Fibrosis in Hypertrophic Cardiomyopathy.
J Cardiovasc Electrophysiol. 2015 Jun 22. doi 

Kawashiri MA, Tada H, Hashimoto M, et al. Extreme Contrast of Postprandial Remnant-Like Particles Formed in Abetalipoproteinemia and Homozygous Familial Hypobetalipoproteinemia.
JIMD Rep. 2015;22:85-94. doi

循環器救急への新たな取り組み

2015.09.10 | 臨床 |

金沢大学附属病院での循環器救急への新たな取り組みが北国新聞に紹介されています
金沢大学附属病院では従来から積極的に重症循環器救急を収容して参りました。この度、附属病院救急部と循環器内科、心臓血管外科の連携をさらに強化し、心臓血管疾患の救急診療に取り組んで参ります。

また、循環器内科、心臓血管外科の外来診療の最新版もお知らせいたします。

ACTUS対談

2015.09.10 | 臨床 |

当科山岸正和教授と富田勝郎前附属病院長との対談が、月刊タウン誌「ACTUS」の8月号、9月号に連続して掲載されています。

8月号では、冠動脈疾患のインターベンション治療について、読者の皆様にもわかりやすいような対談記事となっています。

9月号では、さらに1次予防、2次予防についての対談を進めています。富田勝郎先生は整形外科医であり、特にウォーキングについては整形外科の立場からも大変興味をしめされ、面白い内容となっています。是非ご一読ください。

ESC 2015 in London, UK

2015.08.28 | 海外学会 | 学会・研究会 |

2015年8月にロンドンで開催されました欧州心臓学会(ESC、ロンドン)に当教室から多数の演題発表がありました。

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山岸教授はキーノートレクチャーと座長、今野、多田、林、寺本の各助教は一般演題を発表しました。会期中のロンドンではストが予定されるという情報もあり、心配されましたが何とか回避されました。ストのメッカであるイギリスならではのエピソードでした。

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初日のレジストレーションには長蛇の列ができ、受け付けに半日を要する有様でした!演題発表に間に合わない参加者から大変な苦情がでていましたが、そのような雰囲気でも受付スタッフはマイペースに作業を続け、特に人員が補充される訳でもなく、英国人のメンタリティーを見た気がしました。

会場は大変華やかな感じで、EUおよびアジアからの訪問者を歓迎しているようでした。特に、ビレッジと呼ばれる、一般的な口演会場に加えて、広いスペースに巨大な円形の膜で仕切った会場が6つほどあり、面白い配置になっていました。

 


山岸正和教授

山岸教授は初日にビレッジで講演を行いました。

キーノートレクチャー:心房細動における心原性血栓塞栓症予防の重要性

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また、中日にはあるコホート研究のセッション座長を務められました。

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当初、相方のイタリア人が予想通り来ず、お一人で座長をこなしておられました。ヘッドセットを着用し、マイクなしで座長を務める姿は何やらお笑い番組のMCを見ているようでした。


教室からの発表はポスターが主でした。ポスター掲示もよくあるタテ型のボードではなく、つりさげ型のボードでした。足元がすっきりしていてなかなかいい感じでしたが、上に吊るす構造がないと設営に手間がかかりそうな感じではありました。
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今野哲雄助教

今野助教のライフワークの一つでもあります、肥大型心筋症の臨床研究です。従来着目されていない、肥大型心筋症における右心室肥大の意義を検討した演題です。

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多田隼人助教2517

タンジール病の遺伝子解析を従来法に勝るすぐれた手法を応用して行ったものです。

 

 

 


寺本了太助教

肥大型心筋症の臨床研究です。上記今野助教が見出したfragmented QRSを心臓突然死のリスクとして意義を深めた研究です。心電図を見る目が変わってきます。

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林研至助教6232

林先生のライフワークの一つであります、Kチャンネルに関する研究です。最近もCirculation姉妹誌に論文が採択されるなど、結構のっておられます。

 

 

 

 

 


 

日本からロンドンへの一般的ルートは小松→羽田(成田)→ロンドンですが、パリ経由やら、約8万円安いという理由でバンコック経由で訪れた達人もおられたようです。この場合、バンコックでの9時間のトランジット時間がありますので、バンコック市内観光やタイ料理を堪能できたそ94111うです。ロンドンヒースロー空港到着後は、地下鉄ピカデリー線で一路ロンドン市内へ向かいます。この場合、オイスターカードという地下鉄やDLR線用のパスが便利です。20ポンド(約4000円)ですが、地下鉄などは頻繁に使いますので、便利でかつお得です。

途中のハンマースミス駅やビクトリア駅、グリーンパーク駅などで、国鉄やDLRなどに乗り換えると市街地の目的地に容易に着けます。山岸教授は、カナルワーフという金融機関が集まる新開発地域にホテルを取られましたが、古い運河の名残が漂い、なかなかの雰囲気ではあったとのことです。
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会場であるExCeL Londonまでの移動は電車になります。面白いのは切符の自動改札がある駅とまったくの無人駅があることです。極論すれば無人駅間であれば「無賃乗車」が可能なわけです。ExCeL London駅も基本的には無人駅でしたが、この日は係員が出場者の検札をしていました。ちなみに無賃乗車の罰金は80ポンド(約16,000円)だそうです。
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欧州での学会の楽しみは、発表以外の観光や旧友との再会でしょう。市内の観光名所、イギリスーロンドンといえば、タワーブリッジ、ビッグベン、ウエストミンスター寺院それに大英博物館がまず挙げられるでしょう。山岸教授は以前カイロに滞在したおり、カイロ博物館を見学され、「本当にいいものは大英博物館にある」と言われたそうです。中国北京の「故宮」が空っぽで、中身は台北にあるような感じでしょうか。

イギリスの名門大学、Kings Collegeに日本から大津欣也教授が着任されています。ロンドン郊外のステーキハウスで山岸教授との旧交を温められました。

King’s College London, Otsu Labo

最近ではMurakawa T et al. Bcl-2-like protein 13 is a mammalian Atg32 homologue that mediates mitophagy and mitochondrial fragmentation. Nat Commun. 2015 Jul 6;6:7527. doi: 10.1038/ncomms8527.を執筆されています。寺本了太先生(救急部助教)と林研至先生(検査部助教)の二人が大津研を表敬訪問いたしました。

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Kings Collegeはデンマークヒルにあり、ここにある附属病院の他、心臓保護液で有名なセントトーマス病院など3つの教育病院を有して学生教育にあたっているそうです。

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あっという間のロンドン滞在でした。帰路は羽田まで11時間30分。来年はローマでの開催だそうです。皆さんも抄録を出してみましょう。きっと楽しい時間を過ごせると思います。

以下は思い出の写真です。

Tower Bridge Mounted policeTottenham vs Everton at White Hart Lane Buckingham Palace 1GPD = 190yen!! Big Ben Who went there!? British Museum

北陸ハートセンター暑気払いの会が開催されました。

2015.08.12 | 医局行事 |

北陸ハートセンターは、金沢大学循環器内科、同心臓血管外科、放射線部、検査部、看護部など多職種がよりそう、ハートチームが主体となって運営されています。毎月2回火曜日に症例カンファレンス、術後カンファレンスを症例ごとに行い、適応や術式についてお互いの認識を深めるよう切磋琢磨いたしております。

昨日は恒例の夏の暑気払いの会が執り行われました。

他に類をみないチームワークの良さが窺える写真です。