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市民公開講座「心筋梗塞を知る:予防と治療と119番」

2017.01.27 | 臨床 | 医局行事 |

石川県急性心筋梗塞専門医療機関連絡会が主催する、市民のための公開講座「心筋梗塞を知る:予防と治療と119番」が2017年1月14日(土)に開催されました。

本講座は、石川県健康福祉部、日本循環器学会北陸支部、金沢市医師会、北國新聞社の後援を受けています。

今回は急性心筋梗塞の予防、治療、そして大切な「救急対応」などについて、循環器内科医、心臓血管外科医、救急医そして実際の救急体制の初動にあたる消防・救急隊の皆様に講演、討論をして頂きました。

 

多くの市民の皆様にご参加頂き、実りある議論となりましたことをご報告致します。当教室では今後もこのような緊急疾患・生活習慣病についての啓発活動を続けて参ります。

   

 

本会の様子は翌日の北國新聞にも取り上げて頂きました。

助教 多田隼人

2017.01.25 | 助教 |

多田 隼人 助教 (救急部)

多田 隼人 助教
  • 専門分野
    循環器内科、遺伝性疾患
  • 資格
    医学博士
    日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医・指導医
    日本循環器学会 循環器専門医
    日本動脈硬化学会 専門医・指導医・評議員
    臨床研修指導医
    JMECCインストラクター
  • 一言
    全ての事象には原因があると考えて医療にあたっています。

【1/27】Combination Decongestion Therapy Forum

2017.01.24 | 学会・研究会 |

心不全の治療戦略を考えるCombination Decongestionスライド1 Therapy Forumを開催します。

 

2017年 1月27日(金) 19:00~20:30
金沢大学附属病院 外来診療棟4階 会議室

 

 

特別講演
座長 金沢大学大学院医薬保健学総合研究科
    循環器病態内科学 教授  山岸 正和

筑波大学医学医療系 循環器内科 准教授
瀬尾 由広 先生
「心腎連関を考えたトルバプタンの有用性」   

 

ディスカッション

座長 金沢大学 革新予防医科学研究教育センター
    (循環器内科) 助教 今野 哲雄

ディスカッサー 
金沢大学附属病院 循環器内科
寺田 和始 先生 他
「うっ血治療におけるトルバプタンの役割」

 

多くの皆様のご参加をお待ちしております。

【1/26】Diabetes Update 2017

2017.01.22 | 学会・研究会 |

Diabetes Update 2017を開催します。

 

日時 2017年1月26日 (木) 19:20-21:00

会場 金沢ニューグランドホテル

 

 

Opening Remarks
石川県立中央病院 糖尿病・内分泌内科 診療部長
浅野 昭道 先生

 

基調講演
「 現代日本人の食生活を考えた糖尿病治療について 」
JCHO金沢病院 内科診療部長

古川 健治 先生

 

特別講演
「 心血管不全予防のための血糖管理 」
佐賀大学医学部内科学講座 主任教授
野出 孝一 先生

 

Closing Remarks 
金沢医科大学 糖尿病・内分泌内科学 教授
古家 大祐 先生

 

皆様、是非お越しください。

【原著論文】12誘導心電図のaVR誘導は心臓サルコイドーシスの診断に有用である(循環器グループ:田中仁啓医師)

2017.01.19 | Publications | 臨床 |

当教室から最近発表された原著論文をご紹介します。

T wave amplitude in lead aVR as a novel diagnostic marker for cardiac sarcoidosis

Tanaka Y, Konno T, Yoshida S, Tsuda T, Sakata K, Furusho H, Takamura M, Yoshimura K, Yamagishi M, Hayashi K.
Heart Vessels. 2016 Jul 27. [Epub ahead of print] doi
Impact Factor: 2.293 (2015)

 

本論文の位置づけ田中 仁啓 特任助教

サルコイドーシスは原因不明の全身性疾患で、肺・眼・心臓・皮膚・リンパ節等の臓器に肉芽種を形成することが特徴とされています。中でも、心臓サルコイドーシスは完全房室ブロックを含めた高度房室ブロック、致死性心室性不整脈、心不全などから突然死を来す危険性が高いため、サルコイドーシス患者における心臓のスクリーニングは必要不可欠だと考えられます。
近年、心臓MRIやPETによる心臓サルコイドーシスの診断に関する報告が各国から相次いでいますが、コストや検査実施施設が限定的であることから簡便に実施できません。一方で、12誘導心電図は基本的には全ての医療機関に導入されており、コストも安いことから心臓病のスクリーニング検査として未だに重要な役割を担っています。実際、房室ブロック、脚ブロック、軸偏位、Fragmented QRSが心臓サルコイドーシスの診断に有用であると報告されています。しかし、いずれの指標も特異度は高いのですが、感度が低いことから臨床の現場でのスクリーニングに使用しづらいのが現状です。そこで、我々は心電図の評価で見過ごされているaVR誘導のT波波高(T wave amplitude in lead aVR: TWAaVR)に着目し、心臓サルコイドーシスのスクリーニング、診断への有用性を明らかにすることにしました。

 

Abstract

It is vital to identify cardiac involvement (CI) in patients with sarcoidosis as the condition could initially lead to sudden cardiac death. Although the T wave amplitude in lead aVR (TWAaVR) is reportedly associated with adverse cardiac events in various cardiovascular diseases, only scarce data are available concerning the utility of lead aVR in identifying CI in patients with sarcoidosis. We retrospectively investigated the diagnostic values of TWAaVR in patients with sarcoidosis in comparison with conventional electrocardiography parameters such as bundle branch block (BBB). From January 2006 to December 2014, 93 consecutive patients with sarcoidosis were enrolled (mean age, 55.7 ± 15.7 years; male, 31 %; cardiac involvement, n = 26). TWAaVR showed the greatest sensitivity (39 %) and specificity (92 %) in distinguishing between sarcoidosis patients with and without CI, at a cutoff value of -0.08 mV. The diagnostic value of BBB for cardiac involvement was significantly improved when combined with TWAaVR (sensitivity: 61-94 %, specificity: 97-89 %, area under the curve: 0.79-0.92, p = 0.018). Multivariate logistic regression analysis indicated that TWAaVR and BBB were independent electrocardiography parameters associated with CI. In summary, we observed that sarcoidosis patients exhibiting a high TWAaVR were likely to have CI. Thus, the application of a combination of BBB with TWAaVR may be useful when screening for CI in sarcoidosis patients.

 

要旨

Fig. 1 Representative cases exhibiting positive T wave in lead aVR (TWAaVR) or normal negative TWAaVR. a A 40-year-old man with sarcoidosis of the lung, eyes, skin, and heart. Electrocardiography shows T wave inversion in the inferior leads and a positive TWAaVR (asterisk). Echocardiography shows left ventricular systolic dysfunction and left ventricular dilatation. b A 29-year-old man with sarcoidosis of the lung, skin, and lymph nodes, but not of the heart. The TWAaVR is normal (−0.25 mV; arrow). Echocardiography shows normal cardiac function.
Fig. 2

93名のサルコイドーシス患者(心臓サルコイドーシス:26 名)を対象として各種心電図指標が心臓サルコイドーシス予測に有用かを検討しました。TWAaVRは非心臓サルコイドーシス患者と比較して心臓サルコイドーシス患者で有意に浅く(-0.13 ± 0.1 mV vs -0.18 ± 0.08 mV, p = 0.04)、特異度は高いものの感度は非常に低いという特徴が明らかになりました(感度:39%, 特異度:92%)。しかし、ROCカーブを用いて診断能を評価した結果、右脚ブロックと組み合わせることで心臓サルコイドーシス予測に関する感度・特異度は右脚ブロック単独と比較して有意に改善しました(感度:61%→94%, 特異度:97%→89%, Area under the curve: 0.79→0.92, p = 0.018)。ロジスティック回帰分析を行なった結果、TWAaVRはその他の心電図指標とは独立した心臓サルコイドーシスの予測因子であることも分かりました。また、TWAaVRは左室収縮期末期径と有意な相関を認めたことから、左室リモデリングと関連している可能性が示唆されました(r = 0.53, p = 0.02)。

 

今後の展望

サルコイドーシスは本邦を含めたアジアで特に多く認められる疾患であり、本邦から最新の知見を世界に向けて発信していく必要性が高いと考えられます。
本研究は少数例かつ単施設での結果なので、多施設共同研究での妥当性の検討が必要だと考えらえます。しかし、本研究は日頃あまり注目しないaVR誘導が、心臓サルコイドーシスの診断に有用である可能性を示唆したという点で意義深いと考えられます。