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【2017/6/16】抗凝固薬の新たな治療展開2017

2017.06.14 | 学会・研究会 |

下記要綱で研究会を開催致します。

 

2017 616() 19:00 20:50

KKRホテル金沢 3F「孔雀の間A

 

特別講演 ① 19:10 20:00

静脈血栓塞栓症の臨床

         血栓止血学の観点から ~

金沢大学附属病院 病院臨床教授
朝倉 英策 先生    

 

特別講演 ② 20:00 20:50

減らすためのエビデンス:DOACへの期待

 国立循環器病研究センター 副院長
安田
先生

 

皆さん、奮ってご参加ください。

肺動脈性肺高血圧についての話題

2017.06.11 | 臨床 |

2017年5月20日付けの北國新聞「丈夫がいいね」に当教室の臨床内容を紹介する記事が掲載されました。

 

 

当教室准教授の川尻医師が肺動脈性肺高血圧症の最新の診療について分かりやすく解説しています。

 

北國新聞「丈夫がいいね」過去記事一覧

2017年4月 関節リウマチについての話題(川野診療科長・講師)

2017年1月 急性心不全ついての話題(坂田講師)

2016年12月 膠原病診療についての話題(川野診療科長・講師)

2016年8月 高血圧・糖尿病についての啓蒙活動(米田隆准教授、若山綾子特任助教)

2016年7月 動脈硬化性疾患の啓蒙活動(川尻剛照准教授)

2015年12月 ヒートショック現象の話題(今野哲雄助教

第60回 日本糖尿病学会年次学術集会

2017.06.08 | 国内学会 | 学会・研究会 |

第60回日本糖尿病学会年次学術集会が2017年5月18日〜20日に名古屋で開催されました。

 

 

当教室からも多数の発表がありましたので、ご紹介致します。

        
【口演】
澤村 俊孝
[Ⅰ-5-9] SGLT2阻害薬投与によるレニン・アルドステロン比(ARR)に対する影響に関する検討

劉 建輝
[Ⅰ-15-9] ANGPTL4 活性低下型変異 T266M が脂質・糖質代謝の関連に及ぼす影響についての検討

大家 理恵
[Ⅰ-16-14] 糖尿病発症過程における負荷後血糖値の縦断的検討

山秋 直人
[Ⅱ-15-18] インスリンに対する SGLT2 阻害薬トホグリフロジン追加投与の効果と安全性について

 

 

【ポスター】
藤井 寿美枝
[Ⅰ-P-56] 2 型糖尿病においてボグリボースからエンパグリフロジンへの変更による各種因子と QOL 評価―DTR QOLを用いて―

中條 大輔
[Ⅰ-P-448] 遺伝性慢性膵炎に対する膵全摘術後に自家膵島移植を実施した 1 例

武田 仁裕
[Ⅰ-P-635] 高齢者原発性アルドステロン症患者における糖代謝異常

藤本 彩
[Ⅱ-P-80] GLP1 受容体作動薬にて治療中の 2 型糖尿病患者に対する SGLT2 阻害薬併用効果の検討

大山 公典
[Ⅱ-P-498] 週1回GLP1受容体作動薬使用例における糖尿病治療満足度と治療効果の検討

大畠 梓
[Ⅲ-P-9] 当院における weekly GLP1受容体作動薬の臨床効果と安全性の検討

澤田 慧
[Ⅲ-P-112] SGLT2 阻害薬と睡眠時無呼吸症候群

古川 健治
[Ⅲ-P-149] インスリングラルギンU300による331調節法を用いたセルフタイトレーション BOT の検討(STARTX Study)

蘇馬 由衣
[Ⅲ-P-295] 高齢者糖尿病の血糖コントロール目標に基づいた CGM 解析による低血糖頻度の検討

高橋 知子
[Ⅲ-P-308] 認知症合併糖尿病患者における長時間作用型 GLP1受容体作動薬デュラグルチドの有用性

高田 裕之
[Ⅲ-P-410] 外来糖尿病教育の新たなるかたち

八木 邦公
[Ⅲ-P-518] ANGPTL8 R59W 変異陽性例の糖尿病症例での脂質・糖質代謝に与える影響についての検討

 

後記:
本年度の糖尿病学会年次学術集会は上記のように当教室からも多数の演題発表があり、熱気に満ちたものになりました。今回の学術集会のメインテーマは「糖尿病学の夢の実現へ:未来への架け橋」であり、糖尿病学の夢である“糖尿病および合併症の治癒”が達成され、糖尿病患者が高血糖や合併症を恐れることなく生活できるようにという願いを込めてテーマが設定されたそうです。今はまだ夢ですが、そんな未来に向かって日々臨床や研究に励み、このような学術集会に参加して新たな知見を得、活用していくことが重要だと改めて感じました。

蘇馬 由衣

【原著論文】エメリンは核膜陥入層の形成と核内カルシウム動態に重要な役割を果たす(循環器グループ:下島正也特任助教)

2017.06.05 | Publications |

Emerin plays a crucial role in nuclear invagination and in the nuclear calcium transient

Shimojima M, Yuasa S, Motoda C, Yozu G, Nagai T, Ito S, Lachmann M, Kashimura S, Takei M, Kusumoto D, Kunitomi A, Hayashiji N, Seki T, Tohyama S, Hashimoto H, Kodaira M, Egashira T, Hayashi K, Nakanishi C, Sakata K, Yamagishi M, Fukuda K.
Sci Rep. 2017 Mar 14;7:44312. doi
Impact Factor (2016): 5.228

Abstract

Alteration of the nuclear Ca2+transient is an early event in cardiac remodeling. Regulation of the nuclear Ca2+transient is partly independent of the cytosolic Ca2+transient in cardiomyocytes. One nuclear membrane protein, emerin, is encoded by EMD, and an EMD mutation causes Emery-Dreifuss muscular dystrophy (EDMD). It remains unclear whether emerin is involved in nuclear Ca2+ homeostasis. The aim of this study is to elucidate the role of emerin in rat cardiomyocytes by means of hypertrophic stimuli and in EDMD induced pluripotent stem (iPS) cell-derived cardiomyocytes in terms of nuclear structure and the Ca2+transient. The cardiac hypertrophic stimuli increased the nuclear area, decreased nuclear invagination, and increased the half-decay time of the nuclear Ca2+transient in cardiomyocytes. Emd knockdown cardiomyocytes showed similar properties after hypertrophic stimuli. The EDMD-iPS cell-derived cardiomyocytes showed increased nuclear area, decreased nuclear invagination, and increased half-decay time of the nuclear Ca2+transient. An autopsied heart from a patient with EDMD also showed increased nuclear area and decreased nuclear invagination. These data suggest that Emerin plays a crucial role in nuclear structure and in the nuclear Ca2+transient. Thus, emerin and the nuclear Ca2+transient are possible therapeutic targets in heart failure and EDMD.

 

本論文の背景

Emery-Dreifuss型筋ジストロフィーは、X染色体劣性遺伝の疾患であり、核蛋白の1つであるエメリンの欠損により、近位筋の筋力低下、刺激伝導系の異常を伴う心筋障害、関節拘縮をきたす疾患です。核蛋白であるエメリンは、核膜の構造維持、核内転写因子の制御、クロマチンの構造維持に関わっているといわれています。また、心不全に至る過程において心筋細胞は、心筋自体に変化をきたす以前に核膜の陥入層の減少及び、核内カルシウム動態が変化し、核内カルシウム濃度が増加することが報告されていました(Circulation. 2014 Jul 15;130(3):244-55. doi)。そこで今回我々は、エメリンの欠損により、核の構造変化及び、核内カルシウム動態にどのような影響を及ぼすのかを検討しました。

 

要旨

今回の解析には、ラット胎児心筋、Emery-Dreifuss型筋ジストロフィー患者由来のiPS細胞、剖検心筋を用いました。まずは、ラット胎児心筋に、心肥大のシグナルを亢進させるアンジオテンシンⅡ、エンドセリン、フェニレフリンを添加し、核膜陥入層の減少(図1)と核内カルシウム動態(50% decay timeの増大)の変化が見られました。

 

図1:LaminA/Cの免疫染色によって核膜陥入層(白矢印)をとらえています。ラットの胎児心筋に肥大刺激を加えると、核膜陥入層が減少しています。

 

その後、Emery-Dreifuss型筋ジストロフィー患者由来のiPS細胞を用いて同様の実験を行ったところやはり核膜陥入層の減少と核内カルシウム動態の変化が認められました(図2)。最後にEmery-Dreifuss型筋ジストロフィー患者の剖検心筋組織を観察すると、核膜陥入層が有意に減少していました。

図2 Emery-Dreifuss症候群患者から作成したiPS細胞由来の心筋細胞においても同様に核膜陥入層の減少及び、核内カルシウム動態の変化が見られることがわかりました。

今後の展望

今回の研究でエメリンが核膜陥入層の形成と核内カルシウム動態に寄与し、この変化は、肥大シグナルを添加した時と同様の変化である可能性があることが示唆されました。今後、核内カルシウムの変化により発現が変化するといわれている転写因子のシグナル動態を検討することで、心不全やEmery-Dreifuss型筋ジストロフィーの新しい治療ターゲットを発見できる可能性があると考えてます。

 

FH(家族性高コレステロール血症)を再考する

2017.06.02 | Publications | 臨床 |

医学系雑誌:Pharma Medica 4月号に「FH(家族性高コレステロール血症)を再考する」と題して当教室、関連病院の諸氏によるFH管理についての検討が行われました。

 

FH診断のコツ、PCSK9阻害薬の使いどころ、管理目標などが様々な見地から語られています。

是非、ご覧ください。