医学生、研修医、若手医師の皆さんへ

医学生、研修医、若手医師の皆さんへ医学生、研修医、若手医師の皆さんへ

当教室ではこれからの内科学を担う研修医、若手医師の入局を歓迎します!

金沢大学大学院 循環器病態内科学 教授 山岸正和

私たちの教室では、「人を育て、我々も育つ」を最も基本的な教育理念におき、教育プログラムを編成しています。それらは「心が通うプログラム」と「学生・研修医の手によるプログラム」の2点に集約されます。臨床講義、BSL、クリニカルクラークシップにおいてきめ細やかな臨床教育を行い、医師となってからの臨床研修では大学病院と豊富な関連病院が密に連携しながら画一的ではなく一人ひとりのニーズやビジョンを見据えた研修プログラムを一緒に考えていきます。若い皆さんとともに創造する医学・医療の未来に心を躍らせ、私たちの目標である「総合力ある内科専門医」への道を歩まれることを期待しています。

金沢大学大学院 循環器病態内科学 教授

山岸正和
Life is about creating yourself! クリニカルクラークシップ 初期臨床研修 内科専門医研修 大学院

学生・研修医教育は基本プログラムに沿って行いますが、基本プログラムに加えて応用プログラムへの参加も可能です。例えば、循環器内科ローテンション中には基本的な診察法や心電図判読などに加え、心エコーの基本技法の習得、心臓カテーテル検査・冠動脈形成術への参加など専門的な診療を経験することが可能です。学生時代から私たちの教室に興味を持って学びに来られる学生さんはもちろんのことですが、他大学からの見学希望者、また医師になってから金沢に来られる方々とも将来のビジョンといま学びたいと思っていることを丁寧に話し合い、プログラムを決めることが可能です。
後期研修にあたる専門医養成プログラムでは、各専門科において、関連病院と連携しつつ専門医として必要な知識、手技を身につけます。このシステムを利用し、毎年多くの若手医師が専門医資格を取得しています。大学病院のみならず、診療レベルの高い関連病院や国内・海外の専門施設と連携するなど、専門医研修のニードに合ったプログラムを用意しています。

私たちの医学教育・臨床教育の特徴

プラカン

プラカン

当教室では医学教育において、実際の症例に学ぶプラクティカント(通称プラカン)を積極的に行っています。医学部5年生が小グループに分かれ、担当スタッフの指導を受けながら担当症例の病歴、身体所見、鑑別診断、治療などについて深く掘り下げていきます。プラカン当日のプレゼンテーションやディスカッション、指導教官からのレビューは全て英語で行われます。時には英語ネイティブの講師も加わり、ディスカッションをより深いものにしていきます。プレゼンテーションの準備には時間がかかりますが、問題解決型の思考過程を身につけることができ、疾患や病態に対する理解がより深まると考えています。
金沢大学ではスーパーグローバル大学創成支援事業を策定し、医学部授業の50%を英語で行う方針を進めています。当教室はこれに沿って積極的に英語での臨床教育に取り組んでいます。

学びの部屋

学びの部屋

学生の学習支援を目的として2007年から医局フロアに24時間体制で学生・研修医・留学生の学習が可能な「学びの部屋」を設けています。学生が自主的に運営し、静かに学習ができる環境を医局全体でバックアップしています。部屋の壁には当教室の歴代教授の写真が掲げられており、古今東西、医学を学ぶ若者たちを見守っています。毎年、ここで学んだ学生がお互いに励ましあいながら、卒業試験、国家試験に無事合格し医師として羽ばたいています。

モーニングカンファランス

モーニングカンファランス

毎朝8時からの30分間、パンやおにぎり、コーヒーカップ片手のリラックスした雰囲気の中、症例検討会を行っています。前日までに入院した症例を担当医が呈示し、検査や治療方針についてディスカッションします。診断や治療方針について専門的な議論が交わされますが、教育的な症例については教授をはじめとする各専門医から解説が行われます。学生向けの国家試験対策レベルから内科専門医レベルまでを網羅した内容を実際の症例に基づいた生きた知識として学ぶことができます。

モーニングレクチャー

朝のカンファランスに続いて各科スタッフが医学生や研修医へ向けたショートレクチャーを行っています。臨床経験豊かな中堅ドクター達が基礎的な内容から実際に臨床で役に立つ実践編までバラエティ豊かなラインナップで熱くレクチャーします!

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
担当科 循環器循環器 膠原病・腎疾患膠原病・腎疾患 救急・総合診療救急・総合診療 代謝内分泌代謝内分泌 消化器消化器
内容例

Help me! 
~研修医が初めて胸痛にであった日~

電解質異常に対するアプローチの基本

JMECC入門編~内科救急のFirst Step!~

二次性高血圧を総ざらい!

急性腹症に強くなる!

Slum dunk diagnosis 
~この所見はこれしかない!~

腎不全患者の診かた

輸液の基本原則

内分泌エマージェンシー:突然発症の頭痛

腹部画像の見方、考え方

もう迷わない!ACSの初期治療

最新の関節リウマチガイドライン

不明熱への臨床推論的アプローチ

若年男性が脊椎圧迫骨折を起こしたっ?

吐血、下血の初期対応、これが大切!

担当科 内容例
月曜日 循環器循環器

Help me! ~研修医が初めて胸痛にであった日~

Slum dunk diagnosis ~この所見はこれしかない!~

もう迷わない!ACSの初期治療

火曜日 膠原病・腎疾患膠原病・腎疾患

電解質異常に対するアプローチの基本

腎不全患者の診かた

最新の関節リウマチガイドライン

水曜日 救急・総合診療救急・総合診療

JMECC入門編~内科救急のFirst Step!~

輸液の基本原則

不明熱への臨床推論的アプローチ

木曜日 代謝内分泌代謝内分泌

二次性高血圧を総ざらい!

内分泌エマージェンシー:突然発症の頭痛

若年男性が脊椎圧迫骨折を起こしたっ?

金曜日 消化器消化器

急性腹症に強くなる!

腹部画像の見方、考え方

吐血、下血の初期対応、これが大切!

※年度により担当科は変更になる場合があります。

エコーカンファランス

エコーカンファランス

循環器内科では検査部所属のスタッフが中心となり、毎週心血管エコーについてのレクチャーと症例検討会を行っています。超音波検査は技術革新によって近年急速な発展を遂げ、その無侵襲性から医療現場では必須の存在となっています。一方でリアルタイム3Dやスペックルトラッキング法など新しい技術の発展も目覚ましく、常に知識と技術をブラッシュアップしていくことが求められます。このエコーカンファランスでは医学生、研修医への入門編の知識から心血管疾患の超音波診断・形態評価の最前線を学ぶことが可能です。

当教室では初学者やエキスパートを目指したい医師、技師を対象とした超音波研修会”Echo Kanazawa”を開催し、北陸地区の超音波診断技能の向上に寄与してきました。

国際色豊かな環境で英語力を身に付ける!

国際色豊かな環境で英語力を身に着ける

当教室には毎年、アジア、欧米からの医学生が短期留学しています。海外から留学生を受け入れている期間は朝のカンファランスが英語になり、プレゼンを担当する若手ドクター達は戦々恐々となりますが、最終的には皆、素晴らしいプレゼンをしてくれます。スタッフからの質問や病態の解説も全て英語ですので金沢大学の医学生たちも最初は戸惑いますが、分かりやすい英語で行われますので段々と慣れてきます。そのうち学生さんも乗ってくるのか、英語でのディスカッションが成立します。改めて英語はコミュニケーションの1つの手段であり、恐れる必要はないと学生さんも感じているようです。

臨床推論を体系的に学ぶ

臨床推論を体系的に学ぶ

当教室では医学生や若手医師を対象とした臨床推論の力を身につけるための教育セッションを定期的に行っています。その多くは医学教育のプロフェッショナルを米国より招聘し、企画しています。病歴、症状、身体所見から広く鑑別診断を考え、シンプルな検査から適切な最終診断へ即座に絞り込みでいく思考能力を鍛えるこれらのプログラムは毎年大好評で、全国から聴衆が集まります。

POS (Problem Oriented System)は問題解決型の行動科学理論で、1968年にLawrence WeedがPOS は理論的な診療記録となりうることAudit(監査)と修正によって医学教育にも役立つことを提唱しました。現在、POSに基づく医療記録を作成することは当たり前となっていますが、総合診療に不可欠な全身を系統的にチェックするシステムレビュー(ROS:Review of System)とともに卒前、卒後カリキュラムの中で系統立てて学ぶ機会がありません。当教室では各臨床科においてこのROSを重要視した臨床教育を行っており、POSに基づく症例検討会、後期研修医、指導医によるプライマリケアのレクチャーが充実しています。テーマは「血液ガス分析の解釈」、「胸痛の鑑別診断」、「救急外来での腹痛患者への対応」、「糖尿病の救急病態と治療」、「高コレステロール血症外来治療の実際」、「初期研修で知っておくべきマナー」などなど多彩です。症例検討会では鑑別診断を考える過程(臨床推論)を大切にし、興味のわく検討会を目標に医学生、研修医のニーズにあわせたテーマで質の高い教育を提供しています。

内科救急対応への取り組み(JMECC)

内科救急対応への取り組み

内科疾患による生命を脅かす緊急事態への対応は“総合力ある内科専門医”を目指す当教室にとっても重要なテーマの1つです。目の前で起こっている病態に適切に対応する力をつけるための取り組みとしてJMECC(Japanese Medical Emergency Care Course、日本内科学会認定内科救急・ICLS講習会)コースが全国的に広まっています。金沢大学附属病院ではJMECCコースを院内で定期的に開催していますが、当教室には複数のICLS/JMECCインストラクターが在籍し、医学生、初期研修医を中心に内科救急疾患や心停止への対応を適宜レクチャーしています。

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