2012年3月16日(金曜日)から18日(日曜日)の3日間、福岡市で第76回日本循環器学会学術集会(鄭忠和会長)が開催されました。
幸い、天候にも恵まれ、18000名近い参加を得て、大変な盛り上がりをみせていました。
私たちのグループからもプレナリーセッション、シンポジウム、一般演題が数多く発表されました。
学術集会の花形でもありますプレナリーセッションでは高畠周先生(臓器機能制御学大学院生)がここ数年取り組んできました、新しい概念に基づく冠動脈ステント開発に関する話題を発表しました。質疑も大変活発でしたが、自身で取り組んできた課題だけに、納得の発表でした。発表後には座長の浅原孝之先生、福田恵一先生と問題点などを個別に意見交換しました。
いくつかあるシンポジウムにおきまして、今回は鄭会長の肝いりで開催されました、「アジアと連携」してのアジア心臓超音波ドプラ会議やChina-Japan Caseカンファレンスが印象的でした。特に後者では林研至先生(循環器内科助教)が得意のQT延長症候群に関する話題を発表しました。
また、井野秀一教授(付属病院臨床研究管理センター)が指名されました臨床研究の在り方に関するシンポジウムは、超満員の盛況で、廊下まで聴講者が溢れていました。井野先生のこの分野での人気と、臨床研究の今後の在り方についての重要性を窺わせました。
最近何かと話題の坪川俊成先生(循環器内科助教)はバイオマーカーに関するセッションで、血管内皮前駆細胞(EPC)の意義について堂々と発表しました。どこからか駆けつけた女性を中心とした応援団にも見守られ、他のセッションとは少し趣が違っていたようです。
今回の学会期間中、アメリカ心臓学会機関誌(Journal of the American College of Cardiology, JACC)の編集長DeMaria先生と山岸教授とで、最近日本から採択、掲載ました研究発表について、著者を交えての討論の場が設けられました。私達のグループからも最近このJACC(インパクトファクター14以上)に画像を中心としていくつかの論文(Tada H et al 2011, Tada H et al 2012 in press, Yamamoto T et al 2012 in press)が掲載されており、大変意義深い討論会となりました。尚、この記事の詳細は近く公表予定です。
以前にもお知らせしていますように、今回の学会では循環器内科教室以外の関連病院からもすぐれた発表が数多くなされていました。このような関連病院からの発表の増加は北陸全体のレベルの向上と連動しているようで、これかも引き続き学会学術活動にも取り組んでいきたいものです。
富山赤十字病院、藤田主税先生のポスターでは発表者を見かけませんでした。残念。
折角発表頂きながら、都合で写真などご紹介できなかった先生にはお詫びいたします。来年は水野杏一教授(日本医科大学)会長の下、横浜で開催予定です。また、盛り上がってお会いしましょう。