臓器機能制御学教室消化管免疫研究室(岡田俊英室長)から最近相次いで研究論文が公表されています。当教室の臨床医学に立脚した幅広い研究活動の成果として注目されます。
Okada T, Shiono Y, Kaneko Y, Miwa K, Hasatani K, Hayashi Y, Mibayashi H, Aoyagi H, Tsuji S, Yoshimitsu M, Hayashi H, Yamagishi M.
High prevalence of fulminant hepatic failure among patients with mutant alleles for truncation of ATP7B in Wilson’s disease.
Scand J Gastroenterol. 2010 May 21. [Epub ahead of print]
岡田研究室長のライフワークの一つでもあります、ウィルソン病における肝障害の進展と遺伝子変異の関連を解析した臨床研究です。ATP7Bの変異と劇症肝炎の発症について言及した論文として注目されます。
Narumi K, Kondoh A, Udagawa T, Hara H, Goto N, Ikarashi Y, Ohnami S, Okada T, Yamagishi M, Yoshida T, Aoki K.
Administration route-dependent induction of antitumor immunity by interferon-alpha gene transfer.
Cancer Sci. 2010 Mar 25. [Epub ahead of print]
当教室大学院生である鳴海兼太先生(現国立がん研究センター研究所研究員)によります、がん免疫療法に関します、トランスレーショナルリサーチ論文です。元来、消化器内科医として活動していた際の臨床経験を元に、国立がん研究センターで仕上げた研究論文です。
Kaneko Y, Miyajima H, Piperno A, Tomosugi N, Hayashi H, Morotomi N, Tsuchida KI, Ikeda T, Ishikawa A, Ota Y, Wakusawa S, Yoshioka K, Kono S, Pelucchi S, Hattori A, Tatsumi Y, Okada T, Yamagishi M.
Measurement of serum hepcidin-25 levels as a potential test for diagnosing hemochromatosis and related disorders.
J Gastroenterol. 2010 Jun 9. [Epub ahead of print]
同じく当教室の大学院生である金子佳文先生(現石川県立中央病院消化器内科)によります、ヘモクロマトーシスにおけます、血中ヘプシジン25値をプロテオミクス手技を駆使して定量したもので、本分子の診断的意義を評価した論文として価値あるものと思われます。
臓器機能制御学教室では、幅広い臨床の分析と統合から得られます新知見を常に臨床に還元し、臨床内科学の教育、研究、診療に貢献することを目指しています。