教授挨拶
金沢大学大学院循環器病態内科学のホームページをご訪問頂き、ありがとうございます。私たちは「臨床心臓病学」「動脈硬化」「分子心臓病」「心血管再生医学」「内分泌代謝・糖尿病」「腎・リウマチ膠原病」「消化器病学」の7つの大きな柱を立て、疾患の病態解明や研究成果に基づく先進医療の開発研究を行うとともに、私たちの使命である内科医療・内科学を担う人材育成に全力で取り組んでおります。
循環器内科は勿論のこと、高血圧、糖尿病を扱います内分泌代謝内科、血管炎、自己免疫疾患、腎疾患を扱いますリウマチ膠原病内科、そして、何よりこれらの中心となる栄養管理につながります消化器内科が一体となって臨床、基礎研究を進めています。また、時々の先端技術を取り入れた研究を推進する循環器先端医工学研究グループでは、心血管の再生と修復をテーマにして、常に新しい取り組みに挑んでいます。
附属病院におけます各内科診療科におきましても、循環器内科、内分泌代謝内科、リウマチ膠原病内科、腎臓内科、消化器内科にバランスよく人材を配置し、「総合力ある内科専門医を目指す」体制が盤石なものであると自負しております。
2016年4月からは大学院改組に伴い、教室の名称が従来の「臓器機能制御学」から教室の特徴をより分かりやすくした「循環器病態内科学」(英語名:Department of Cardiovascular and Internal Medicine)に変わりました。また、医学系キャンパスも整備が進み、大学病院、医学部が大きく変貌しましたが、魂をこめた臨床、教育、研究を進めていくという信念はわずかも変わりません。私たちの教室の目標である、総合力ある専門医と臨床研究者の育成に教室員一同、これまで以上に力強く邁進して参ります。引き続きご支援賜ります様、宜しくお願い申し上げます。
2016年4月1日
循環器病態内科学 教授
循環器病態内科学の特徴
当講座には循環器研究室(動脈硬化研究グループ、分子心臓病研究グループ、先進医工学研究グループ)、内分泌糖尿病研究室、リウマチ・膠原病研究室、消化管免疫研究室の4部門があります。 心血管疾患および内分泌糖尿病関連疾患の原因と病態を分子遺伝学的に解明しています。遺伝子治療、再生医療を含む新しい診断法と治療法を確立し、また生活習慣病の制圧拠点を構築すべく臨床に基盤を置いた研究を行っています。主たる対象疾患は、冠動脈疾患、心筋症、不整脈、内分泌・代謝疾患、膠原病、炎症性消化管疾患などです。
主要な研究課題は以下の通りです。
1)冠動脈疾患の病態生理学に関する研究
2)心筋症・不整脈の分子遺伝学的研究
3)心不全に対する再生医療
4)高血圧・糖尿病の分子生物学的研究
5)膠原病・血管炎における免疫応答の分子遺伝学的研究
6)炎症性消化管疾患の分子遺伝学的研究
臨床系大学院である私たちの研究分野では「組織細胞障害と修復・再生」を視点として研究を進めています。このため、従来の遺伝学的アプローチでのDNA,RNA発現の解析に加え,機能発現の立場から、独自のiPS細胞を含む培養細胞系を確立、ゼブラフィッシュや実験動物系で血管・心筋再生療法など、トランスレーショナルリサーチを通じて、根本的治療法の実現に取り組んでいます。また,国内・国外の専門施設への留学も積極的に進め、研究を効率よく推進することに努めています。
当教室の沿革と歴史
循環器病態内科学講座(旧内科学第二講座)の歴史は大正13年、大里俊吾教授が東北大学より金沢医科大学第二内科講座主任として着任したことに始まります。昭和19年に第二代日置陸奥夫教授に引き継がれ、昭和24年国立金沢大学医学部設置を経て、昭和30年大学院設置に伴い金沢大学大学院医学研究科・内科系専攻・内科学第二講座と改組されました。
昭和33年に第三代村上元孝教授、昭和47年に第四代竹田亮祐教授、平成6年に第五代馬渕宏教授が着任しました。平成13年金沢大学医学部の大学院部局化に伴い金沢大学大学院医学系研究科・循環器医科学専攻・血管分子遺伝学となりました。平成18年1月、国立循環器病センターより山岸正和先生を第六代教授として迎え、同年8月には講座名を臓器機能制御学と改め新たなスタートを切りました。また、平成20年4月には金沢大学全体の改組に伴い、名称が金沢大学医薬保健学域医学系循環医科学専攻・臓器機能制御学教室となりました。現在の教室は循環器病学を主たる柱として、内分泌代謝学、リウマチ・膠原病学そして消化器病学の複合領域における研究、教育、診療をカバーしています。
講座の名称、教授の専門性は時代とともに変遷しましたが、「人を育て、我々も育つ」を究極の命題とする教室の方針は変わらず、スタッフ、専門研修医、初期研修医、そして、学生が一体となっての臨床医学を実践し続けています。