この度、Biotronik International Fellows Program (IFP) 2015プログラムを受賞し、海外で開催される心臓ペーシング及び臨床電気生理のセミナーに参加することができたので、その内容を報告させて頂きます。
このプログラムはBiotronikがアメリカ・ドイツで主催しているフェロー向けのプログラムに半年で5回参加できるというユニークなプログラムです。4回目の今回はニューヨークで開催されました。1回あたり3日のプログラム(金曜日〜日曜日)で、日本人にとっては体力的にきついですが、内容は時差ぼけの状態でも目が醒めるようなすばらしいものです。レクチャーをしてくれるのは論文で一度か二度は少なくとも見たことのあるようなFacultyたちで、基礎から最先端の内容まで幅広くレクチャーをしてくれます。レクチャーも素晴らしいのですが、ブタの心臓を使用したDissectionの時間が初日に毎回組まれており、手取り足取りFacultyが解剖を指導してくれます。解剖など医学部2年生以来であったため、働き始めてから疑問に思っていたことを一つずつ目で確認でき、解剖への理解が深まりました。
また、人との出会いもこのプログラムの売りだと思います。世界中の同年代のEP fellowが集結するのですが、会を重ねるごとに徐々に打ち解けて話す機会も多くなります。海外の実情や普段の悩みなど色々と話すこともでき友人の幅も広がりました。また、アメリカに留学している志の高い日本の先生方とも知り合う機会に恵まれ、食事に行ったり観光に行ったりと楽しい時間を過ごすことができました。
ただ、IFPは日本人にとっては言語面が厳しいと思います。基本的にアメリカのフェロー向けのプログラムなので非常に英語が早く、ついていくのがやっとの状態です。初回が2015年11月だったのですが、全くついていけない事にショックを受け、英語をかなり勉強しました。その甲斐あってか、4回目の今回は理解できた内容が以前よりも増えたと実感することができました。
以上簡単でございますが、IFPに関してご報告させて頂きました。今回はACCからの参加だったので、約10日間アメリカに滞在することになりました。このような我儘に理解を示して下さった循環器内科の先生方には心より感謝申し上げます。次回6月に最後のIFPがベルリンで行われるので、それを楽しみに大学での臨床・研究に精進しようと思います。
金沢大学循環器病態内科学
田中 仁啓