第90回日本内分泌学会学術総会が京都市で開催され、当教室から多数の発表がありました。金沢大学の医学生による発表があり活気に満ちたものになりました。
学生の皆さんは堂々と発表され、最新の知に触れ、集合写真でみられるように皆さんいい表情になっています。
シンポジウム
武田仁勇
[SY6-1] 食塩感受性高血圧におけるアンジオテンシノーゲン遺伝子のエピジェネティクス
若手臨床内分泌医育成委員会企画
Clinical Endocrinology KO round
米谷充弘
[YTC1-6] 繰り返す低血糖発作を契機に診断されたDoege-Potter症候群の1例
※この発表にてRunners-Upを受賞しました。
青野大輔
[YTC1-1] 無痛性甲状腺炎による甲状腺中毒症とJ波症候群を伴った心肺停止の1例
※この発表にてプレゼン賞を受賞しました。
口演
米谷充弘
[O1-10-12] 副腎性クッシング症候群における体細胞変異とDNAメチル化の関連に関する検討
ポスター
武田仁勇
[P1-29-5] 原発性アルドステロン症患者における副腎静脈サンプリング時のACTH負荷の有用性―Japan Primary Aldosteronism Study (JPAS)における検討―
小西正剛
[P1-30-5] サブクリニカルクッシング症候群及びクッシング症候群における循環器動態の差異
武田仁裕
[P1-25-5] 糖尿病ラットの末梢神経におけるミネラルコルチコイド受容体の役割
[P2-26-3] 原発性アルドステロン症の臨床像に及ぼす加齢の影響
塩村美帆
[P2-12-3] 甲状腺中毒症が遷延し診断に難渋したアンカロン誘発性甲状腺中毒症2型の1例
中山陵
[P1-6-5] 経蝶形骨洞的下垂体腫瘍摘出術後に臨床徴候を示したIGF-1低値の先端巨大症の1例
以下、クリニカルクラークシップの一環で学会に参加した6年生の感想です。
中山稜さん(金沢大学医学類6年)
今回はクリニカルクラークシップの一環として、第90回日本内分泌学会学術総会に参加させていただきました。武田先生をはじめ、米田先生、米谷先生といった多くの先生方にご指導いただいたおかげで、至らぬ点は多々ありましたが満足のいく発表ができたと思います。
今回が自分にとって初の学会発表ということで、最初は発表形式の種類も、ポスターの作り方も何一つわからない状態からのスタートでした。画像の提示の仕方、経過図の作り方、現病歴のまとめ方など課題は多く、本当に大変な準備期間でした。発表時間は3分と短いですが、その3分で自分が伝えたいメッセージをわかりやすく伝えることの難しさを痛感しました。また、ポスターの形式も、構成やデータの表し方など発表者ごとに様々で今後の参考になりました。
今回の症例1つをとっても、議論するほど新しい発見があり、普段実習で経験する症例1つ1つをもっと大事にする必要があると感じています。自分が担当した患者さんのことで知らないことは何もないと胸を張れるように取り組んでいきたいです。大変貴重な機会を与えていただいた第二内科の先生方、本当にありがとうございました。
塩村美帆さん(金沢大学医学類6年)
元々内分泌学は興味のある分野で、今回御縁があり第90回日本内分泌学会学術総会で発表するという機会をいただきました。準備の過程では多くの先生方にご指導いただき、症例だけでなくプレゼンテーションの仕方やポスター発表の様式を学ぶことができました。発表本番が近づくにつれてしっかりと発表できるのか不安になりましたが、本番は落ち着いて発表することができました。ただ、質問にはうまく答えることができず、症例に関して深い理解が必要なことを痛感しました。
学会中に他の先生方の発表を聞き、プレゼンテーションの違いに驚きました。次の機会があればもっとうまく発表したいと思います。今回参加させていただき、多くのことを学べて本当に良かったです。ありがとうございました。
森田まゆみさん(金沢大学医学類6年)
私は今回初めて全日本クラスの大きな学会に参加させていただき、とても刺激的な経験となりました。初めは先生から、学会発表してみようよ、と軽い誘いをいただき、私も軽い気持ちでした。しかし実際は、たった3分のポスター発表にたくさんの知識と時間が必要で、スライド作りに没頭しなければなりませんでした。事情により発表できませんでしたが、ノックアウトラウンドという新しい企画のスライド作りに携わることができ、2週間でしたがとても充実した時間を過ごすことができました。この2週間でポスター発表のスライドの作り方や、今まで知らなかった疾患についてなど、多くのことを学ぶことができました。また内分泌疾患の面白さも感じることができました。この経験は将来の糧になったと思います。このような経験ができたのも米谷先生をはじめ多くの先生方のおかげです。本当にありがとうございました。
医学は日進月歩で進んでおり、その進歩と革新に取り残されないように、我々も金沢の地より最新の知見を発信せねばなりません。学会参加を通じて日々臨床、日々研究に勤しむよう思いを新たにしました。
武田仁裕