先日開催されました、第64回日本心臓病学会学術集会においてはその年の各業績に対しての賞が授与されます。今回は、日本心臓病学会発行の英文誌「Journal of Cardiology」の年間最優秀論文賞に金沢大学小児科の橋田暢子先生が、また優秀論文賞に、当教室の野村章洋先生の論文が優秀論文賞として選出されました。
野村先生は現在、ハーバード大学・マサチューセッツ総合病院(Massachusetts General Hospital)に留学中であり、循環器病関連遺伝子の解析を全世界レベルで行っています。今回の論文は渡航前に執筆されたもので、当教室のデータに基づくものです。
授賞式には、責任執筆者の今野哲雄助教が参加しました。
Nomura A, Tada H, Teramoto R, Konno T, Hodatsu A, Won HH, Kathiresan S, Ino H, Fujino N, Yamagishi M, Hayashi K.
Whole exome sequencing combined with integrated variant annotation prediction identifies a causative myosin essential light chain variant in hypertrophic cardiomyopathy.
J Cardiol. 2016 Feb;67(2):133-9.
遺伝子解析技術の進歩は目覚ましく、原因遺伝子解析も全ゲノム、エクソームシークエンス解析の時代に入っています。本論文では全エクソームシーケンスを用いて家族性肥大型心筋症の大家系における責任遺伝子変異を明らかにしました。
最優秀論文賞の橋田暢子先生の業績は、難治性疾患でもありますダノン病に関するものです。
Early diagnosis of Danon disease: Flow cytometric detection of lysosome-associated membrane protein-2-negative leukocytes. (Volume 66, Issue 2, August 2015, Pages 168-174)
金沢大学における循環器病領域での分子遺伝学研究の成果が、日本を代表する英文学術誌において最優秀賞、優秀賞を獲得したことは教室にとりましても大変栄誉なことです。