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53rd ERA-EDTA(欧州腎臓学会・欧州透析移植学会)2016 in Vienna

2016.06.28 | 海外学会 | 学会・研究会 |

2016年5月20日〜5月25日にかけてオーストリア・ウィーンにて開催された第53回欧州腎臓学会・欧州透析移植学会に参加させて頂きました。

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今年度のERA-EDTAには日本からも多数の演題応募・採択があり、なんと参加各国の中で最多の演題数だったそうです。会場では欧州に留まらず、アジア、北米、中東、北アフリカなど実に多くの地域からの発表を目にすることができ、演題内容も各国の臨床現場に於ける事情が反映される部分が垣間見えました。そのような地域性による診療内容の差異は互いに質問をぶつけ合うテーマのひとつでもあり、日々の診療を全く違う視点から見直す実に興味深い体験となりました。

 

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各国の特色が反映された発表が並ぶ中で、ポスターセッションで注目を集めたのは当研究室、山田先生の発表されたCKD stage G3~4の患者群に於けるトルバプタンの有効性についての報告でした。(The usefulness of TOLVAPTAN in patients with ADPKD with CKD stage G3 to G4)

自分自身は、透析低血圧は定義によって関連する危険因子が異なり予防的介入をする上で混乱を生ずるという問題提起が主旨の発表でした。(Impact of intradialytic hypotension definitions on the factors related to IDH)
今回が初めての海外学会参加であり、データの解析・ポスター作成で諸先生方の助けを頂きやっと辿りついたものでしたが、その先に「世界の腎臓内科医は何に注目しているのか」「どのようなプレゼンテーションなら注目を集め、メッセージを伝えられるのか」というこの先目指すべき目標を示された思いでした。

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もちろん学会前後の時間にはウィーンという世界でも有数の美しい街を楽しむこともできました。今回、残念ながら「音楽の都」として楽しむ時間はありませんでしたが、それでも美しい街並みと美味しいウインナ・シュニッツェルとビールは「今度より良いプレゼンを引っさげて海外学会に参戦しよう」というモチベーションを沸き立たせてくれるには十分なものでした。

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※ 写真はADPKDのエキスパートである虎の門病院腎センター内科部長・乳原善文先生と当地にてご一緒させて頂いた際のものです。他施設の御高名な先生とお話しできる機会を得られるのも海外学会ならではの経験かもしれません。

最後になりましたが、今回の発表のテーマを与えて下さり、またご指導を頂いた水島先生、そして発表に際して貴重なご意見を下さった川野先生をはじめとする研究室の先生方に心より感謝申し上げます。

石川県立中央病院腎臓内科・リウマチ科
西岡亮

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