2016年5月12日〜14日にかけて、東京で開催された第91回日本消化器内視鏡学会総会に参加してきました。直前には暴風雨がニュースで報じられていましたが、開催期間中は快晴で、既に夏のような暑さでした。会場はグランドプリンスホテル新高輪 国際館パミールです。前回はタイガース選手との遭遇があったのですが、今回は全国から集まった熱い内視鏡医しかお見かけしませんでした(余談)。
学会内容としては、女性内視鏡医のサポートをテーマとしたセッション、若手内視鏡医がコメンテーターを務める症例検討会、などなど学会のメッセージも込められた新たな取り組みが話題を集めていたように思います。
私は、『NBI併用拡大内視鏡を用いた日常診療における食道表在癌診断』と題した発表を行いました。NBI併用拡大内視鏡とは、NBI(Narrow band imaging)という粘膜表層の血管や粘膜模様を強調する画像システムと、約80倍までの光学的拡大機能を併せ持つ、近年開発された内視鏡システムです。内視鏡診断能を飛躍的に向上させることができ、徐々に一般臨床での利用が広がっています。食道癌の検出能も極めて高く、早期の食道癌発見が増えています。今回の発表は、約7500件の内視鏡検査から、内視鏡検査目的毎に食道癌発見頻度を求めたものです。残念ながらポスター発表でしたが、NBI併用拡大内視鏡を用いた実臨床での食道癌発見の成果として、世界で最も母数の多い発表です。NBI併用拡大内視鏡の診断能指標の一つとなる重要なデータとして論文執筆中です。北陸外の先生方との交流も、全国学会での楽しみの一つです。近況報告、様々な情報交換など、有意義な時間を過ごさせていただきました。
謝辞
学会参加の機会を与えていただいた関係者各位へ、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
発表 中西 宏佳
ポスター:NBI併用拡大内視鏡を用いた日常診療における食道表在癌診断
記事 中西 宏佳