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臓器機能制御学教室からの論文【2011年・春―夏】

2011.10.05 | Publications | 研究 |

夏休みは気力、体力充実の時期であると共に、日頃蓄えたデータを整理し、論文にする絶好の機会でもあります。本年も7月以降にいくつかの論文が世に出ましたので、ご紹介申し上げます。

①Takata H, Takeda Y, Zhu A, Cheng Y, Yoneda T, endocrino_Diabetes-Obesity-MetabolismDemura M, Yagi K, Karashima S, Yamagishi M.
Protective effects of mineralocorticoid receptor blockade against neuropathy in experimental diabetic rats.
Diabetes Obes Metab. 2011 Sep 23. icon_doi

内分泌代謝内科の高田裕之先生によります、実験的糖尿病性神経障害発症にかかわるレニンーアンギオテンシン系の役割を解明した研究です。1糖尿病のモデルでもあります、発症ラットにアンギオテンシン受容体拮抗薬を予め投与すると、神経障害の進展が抑制されることを見出しました。本剤が糖尿病の新規発症を低下させるとの臨床成績が注目されていますが、合併する神経障害の軽減にも役立つ可能性があり、注目されます。
(インパクトファクター=3.415)

 

②Tada H, Kawashiri MA, Ohtani R, Noguchi T, S00219150Nakanishi C, Konno T, Hayashi K, Nohara A, Inazu A, Kobayashi J, Mabuchi H, Yamagishi M.
A novel type of familial hypercholesterolemia: Double heterozygous mutations in LDL receptor and LDL receptor adaptor protein 1 gene.
Atherosclerosis. 2011 Aug 10. icon_doi

この度、大学院を卒業され、医学博士を授与されました、循環器内科助教多田隼人先生によります、珍しい遺伝性高脂血症症例の話題です。通常、遺伝性(家族性)高脂血症はLDL受容体の遺伝子異常から発症しますが、多田博士はかねてより注目してきた、LDL受容体のアダプタープロテインの遺伝子異常との合併異常を示す症例を報告しています。かかる例では、比較的スタチン製剤への反応がいいのが臨床的の特徴と言えます。
(インパクトファクター=4.086)

 

③Hibi K, Kimura T, Kimura K, Morimoto T, Hiro T, S00219150Miyauchi K, Nakagawa Y, Yamagishi M, Ozaki Y, Saito S, Yamaguchi T, Daida H, Matsuzaki M; for the JAPAN-ACS Investigators.
Clinically evident polyvascular disease and regression of coronary atherosclerosis after intensive statin therapy in patients with acute coronary syndrome: Serial intravascular ultrasound from the Japanese assessment of pitavastatin and atorvastatin in acute coronary syndrome (JAPAN-ACS) trial.
Atherosclerosis. 2011 Aug 22. icon_doi

これまでにも何度かご紹介して参りました、JAPAN-ACS試験のサブ解析論文です。当教室の山岸教授も参画されました本試験では、いくつかのサブ解析結果が報告されています。本論文では、全身血管に狭窄病変を有するような急性冠症候群症例では、スタチンの反応性が比較的低いため、より集中的な治療が必要ではないかという命題を問いかけています。(インパクトファクター=4.086)

 

いずれもインパクトファクターが3から5の間の学術誌への掲載ですが、情報として社会への還元を絶え間なく行っていく姿勢が大切です。私たちは、特に若い先生方が日頃経験する臨床事象、実験結果などを、科学的に評価してまとめあげる力をつけて頂くよう、きめの細かい指導を心掛けています。

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